icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina27巻9号

1990年09月発行

文献概要

今月の主題 ウイルス肝炎 Q & A

非A非B型肝炎の母親から生まれる子供にはどのような予防法が必要か./A型肝炎ワクチンは開発されていますか.

著者: 白木和夫1 森次保雄2

所属機関: 1鳥取大学医学部・小児科 2国立予防衛生研究所・腸内ウイルス部

ページ範囲:P.1516 - P.1516

文献購入ページに移動
 非A非B型肝炎のうちC型肝炎については現在その垂直感染の疫学を検討中である.妊婦がChironのHCV抗体陽性の場合,生まれた児を追跡していると,しばしば肝機能障害が認められるが,多くは生後1年以内に正常化する.この場合HCV抗体は必ずしも陽性化しないが,一部の症例では陽性となり持続する.現在までのところ,C型肝炎ウイルスの垂直感染でB型肝炎と同様のキャリア化がどの程度起こっているか,また乳児の劇症肝炎の原因にどの程度関与しているかは明らかでないが,その可能性はかなりあると考えられる.
 現在のところC型肝炎ウイルス垂直感染の予防法はない.


 A型肝炎ワクチンは現在開発途上である.弱毒ワクチン2)と不活化ワクチン3)の2種類が開発研究されているが,わが国では細胞培養増殖ウイルスの精製不活化ワクチンが試作され4),現在第2相の臨床試験が進行中である.わが国のワクチンの実用化は2〜3年後と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?