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文献詳細

雑誌文献

medicina27巻9号

1990年09月発行

文献概要

今月の主題 ウイルス肝炎 Q & A

海外では肝炎に対してあまり薬が使われていないそうですが本当ですか.

著者: 松嶋喬1

所属機関: 1北海道大学医学部・第3内科

ページ範囲:P.1537 - P.1537

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 欧米の慢性肝炎はCPHとCAHとに組織学的に分類され,CPHは進行性の経過をとらないため積極的治療は行わず,CAHが薬物療法の対象になっているようである.欧米のCAHの主因は自己免疫性でプレドニゾロン,アザチオプリンまたは両者の併用療法が行われている.また,B型慢性肝炎に対するインターフェロンα,β,Ara-A, Ara-AMP,Acyclovirなどの抗ウイルス療法,レバミゾール,インターフェロン-γ,トランスファーファクター,ステロイド離脱療法,シアニダノールなどの免疫増強または調整作用のある薬剤による治療は,有効率が必ずしも高くないことから,一般には使用されていないようである.ただし,欧米とわが国とではHBVの感染様式,キャリアの成立,肝炎の発症年齢などが同じではないので,B型慢性肝炎に対する治療成績の評価も同じ観点で論ずることはできないことを念頭におく必要があると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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