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文献詳細

雑誌文献

medicina27巻9号

1990年09月発行

今月の主題 ウイルス肝炎 Q & A

劇症肝炎の予後はどのように判定するのか.

著者: 杉原潤一1

所属機関: 1岐阜大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.1549 - P.1549

文献概要

 ①年齢・性:一般に高齢になるほど予後が悪いが,性差はない.②成因:HAV, HBVやアセトアミノフェンによるものはNANBVや薬剤性のものより予後が良い.③臨床病型:全国集計によると,いずれの年でも亜急性型に比し急性型のほうが生存率が高い.④極期昏睡度:重症度を反映すると考えられ,やはり昏睡IV度以上に達する症例の予後は不良である.⑤血液生化学検査:脳症発現時において,死亡例では生存例に比し総ビリルビン値,血漿遊離芳香族アミノ酸(Tyr+Phe)濃度が高く,直接/総ビリルビン比,AFPが低い.生存例では血漿交換後の凝固因子は50%以上に改善を示すことが多い.⑥画像診断:死亡例では,腹部CTより求めた全肝CT総値が30lHU以下を示す.⑦負荷試験:肝予備能を知るためのグルカゴン負荷試験などは,予後の指標になる.⑧合併症:死亡例は心不全,腎障害,肺感染症,DICなどの合併症や,呼吸促迫,異常呼吸や低血圧が多くみられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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