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文献詳細

雑誌文献

medicina28巻1号

1991年01月発行

文献概要

今月の主題 不整脈診療プラクティス 治療についてのセミナー

抗不整脈薬による不整脈増悪

著者: 小川聡1 宇野恵子1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部・内科呼吸循環科

ページ範囲:P.98 - P.100

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 抗不整脈薬の投与中にそれまで認められなかった不整脈が出現したり,既存の不整脈が増悪することを抗不整脈薬のproarrhythmia(催不整脈作用)と呼ぶ.1964年にキニジン投与中の失神の原因が心室頻拍・細動であることが確かめられて以来1),催不整脈作用が認識され,最近報告されたCASTの研究成績2)により,薬剤投与群での突然死発生がより高率であることが示され,催不整脈作用が初めて客観的に立証された.本来不整脈治療や予防の目的で投与される薬剤が致死的不整脈を誘発するという点で臨床家に大きな問題を投げかけているが,その病態生理を正しく理解することにより回避可能な副作用である.
 催不整脈作用により誘発される不整脈は徐脈性不整脈や,期外収縮の増加,心室頻拍および細動と種々であるが,QT延長をきたすVaughan Williams分類のIA群薬およびIII群薬によるtor-sade de pointesが有名である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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