medicina28巻1号

1991年01月発行

今月の主題 不整脈診療プラクティス 不整脈治療の実際

心房細動・粗動—慢性

著者： 小松親義¹

所属機関： ¹日本航空乗員健康管理室

ページ範囲：P.128 - P.130

　慢性心房細動・粗動（Af，AF）は，通常心疾患や甲状腺機能亢進症などに合併して生ずることが多いが，基礎疾患のない場合にも生ずることがあり，これはlone Afと呼ばれている．これまでとくに僧帽弁狭窄症やうっ血性心不全に心房細動が合併すると，塞栓症の発生する頻度がきわめて高くなるので注目を浴びてきたが，近年，基礎疾患の有いlone Afでも，塞栓症の合併が予想以上に多いことが知られるようになった．とくに近年，頭部CTなどの検査法の進歩により，脳梗塞が正確に診断されるようになったため，心房細動と脳梗塞との問題が改めて注目を浴びている．