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文献詳細

雑誌文献

medicina28巻1号

1991年01月発行

文献概要

血液疾患診療メモ

貧血,とくに小球性貧血と大球性貧血

著者: 岡田定1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院・血液内科

ページ範囲:P.190 - P.191

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 日常診療で貧血の患者を診ることは多い.WHOの貧血の診断基準は,成人男子でHb≤12 g/dl,Ht≤39%,成人女子でHb≤11g/dl,Ht≤36%とされている.貧血をみたら,まず造血器以外の臓器に問題がある続発性貧血か,造血器に原因がある原発性貧血かを鑑別することが大切であり,つぎに,Wintrobeの赤血球指数,とくに平均赤血球容積(MCV)から貧血の鑑別をするのが有用である.
 MCV(fl)=Ht(%)/RBC(106/μl)×10であり,
 正球性:80〜100(90前後)
 小球性:80以下
 大球性:100以上
と判断するのが実用的と思われる.Hb,Htの数値だけにとらわれないで,MCVをみて貧血の原因を鑑別する習慣が大切である.MCVによって,代表的な貧血疾患は表1のように分類される.
 貧血の中で,続発性貧血が約60%,鉄欠乏性貧血が約20%と圧倒的に多く,再生不良性貧血,溶血性貧血,悪性貧血などはかなり稀である.若年〜中年女性では,とくに鉄欠乏性貧血が多く,中高年者では悪性腫瘍,骨髄異形成症候群(MDS),悪性貧血が相対的に多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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