icon fsr

雑誌目次

雑誌文献

medicina28巻10号

1991年10月発行

雑誌目次

今月の主題 臓器感染症と抗生物質の選択

抗生物質の使い方Q&A

著者: 北原光夫

ページ範囲:P.1804 - P.1805

 Q1 発熱の症例で感染症が強く疑われる場合,どう対処したらよいでしょうか.
 a まず最初に患者の全身状態を把握すべきです.感染臓器が判明せず,また敗血症のような緊急状態でなければ,しっかり培養を行って,様子をみるのがよいと思われます.ただし,全身状態が悪化するのであれば,早期に抗生物質を開始します.

感染症と抗生剤の選択

オフィスプラクティスにみる感染症と抗生剤

著者: 吉原幸治郎 ,   福井次矢

ページ範囲:P.1666 - P.1670

ポイント
1)咽頭炎,扁桃腺炎の起炎菌としてS.Pyogenesisが最も重要であり,アンピシリンが第1選択剤である.
2)急性気管支炎は一般にウイルス感染であり,二次感染の起炎菌は明確ではない.
3)慢性気道感染ではB.catarrhalisやH.influenzaeなどのβ-lactamase産生菌が多く,新キノロン剤が有効である.
4)単純性膀胱炎の起炎菌はほとんどがE.coliであり,ST合剤やセフェム剤およびキノロン剤を使用する.
5)複雑性膀胱炎ではEcoliの分離頻度は減少し,P.aeruginosaなどのβ-lacta-mase産生菌が増加している.
6)尿道炎の第1選択剤として,淋疾および非淋菌性尿道炎の両方に効果のある新キノロン剤が注目されている.
7)細菌性腸炎の治療の中心は,水分の補給などの維持療法である.
8)Salmonella腸炎にはクロラムフェニコールやホスホマイシンが病初期には有効である.
9)Campylobacter wa炎にはエリスロマイシン1日1gを10日間投与する.
10)病原性大腸菌腸炎やYersinia腸炎には新キノロン剤の5日間投与が推奨されている.

院内感染症と抗生剤の選択

著者: 深谷一太

ページ範囲:P.1671 - P.1673

ポイント
1)まず“院内感染症”の診断を確立する努力を速やかに十分にする.
2)入念な診察と適切な検査が必須である.
3)殺菌性があり,安全性の高い抗菌剤を選択し,十分量を投与する.
4)注射剤を要することが多い.
5)一般的に,第1選択剤としてはβラクタム剤を最適とする.

抗生剤の併用療法と有効性

著者: 和田光一 ,   川島崇 ,   荒川正昭

ページ範囲:P.1674 - P.1676

ポイント
 抗菌剤の併用は,
1)抗菌力の相乗的増大
2)抗菌スペクトラムの拡大
3)耐性化の防止
4)副作用の軽減
 を目的とするが,安易に行うべきではない.

抗生剤の変更・追加・終了のタイミング

著者: 根岸昌功

ページ範囲:P.1678 - P.1680

 感染症患者の治療に際しては,まず第1に感染の存在の確認,感染部位の特定,原因病原体の検索・同定を行い,次に抗生剤の性質を考慮して適切な抗生剤を選んで投与する.そして,この治療の評価を行い,記録する.
 ここまでの作業を科学的に行ったにもかかわらず,期待したほどの治療効果が得られないことがある.

予防的投与の実際

著者: 廣田正毅

ページ範囲:P.1682 - P.1683

ポイント
1)発症が予測される感染症の部位(臓器)や種類によって起炎菌が異なる.
2)予測される起炎菌に対応した抗生物質を選択する.

感受性検査の読み方

著者: 熊坂一成 ,   前山和宏

ページ範囲:P.1684 - P.1685

ポイント
1)わが国で広く普及しているディスク検査法による感受性検査の成績判定は,(+++)〜(-)の4段階表示である.
2)薬剤の選択をする際には,(+++)の基準のものを選ぶことが原則である.
3)薬剤感受成績の結果は,患者の病態を正確に把握した上で,合理的に解釈する.
4)各医療施設,検査施設ごとに菌の分離状況,耐性状況を把握しておくことが,いわゆるEmpiric Therapyを合理的なものにする.

気道感染症

気道感染症へのアプローチ

著者: 高橋幸則

ページ範囲:P.1686 - P.1690

 気道感染症とくに肺炎は,あらゆるタイプの病原体によってひき起こされる(表1参照).これらのうちビルレンスの強いものと弱いものがあり,宿主の防御機構との関連によって違いがある.気道感染症へのアプローチの第1歩として,まずこの点を整理する必要があるであろう.

急性上気道感染症と気管支炎の治療

著者: 力富直人

ページ範囲:P.1692 - P.1694

 急性上気道感染症はいわゆるかぜ症候群としてみられることが多く,鼻炎症状としての鼻汁,鼻閉,咽頭症状としての咽頭痛,咳,そして理学的所見では粘膜の発赤,腫脹がみられる.かぜ症候群は1969年の第66回日本内科学会において答申されたごとく「上気道における急性のカタル(粘膜)性炎症」であり,その原因ウイルスとしてはインフルエンザウイルス,アデノウイルス,リノウイルス,RSウイルスなどの呼吸器病原ウイルスのみならず,エコーウイルス,コクサッキーウイルスなどの消化管ウイルスなども同様の症状を起こすし,マイコプラズマによっても惹起される.その際に起こる急性気管支炎は,ウイルスが関与するものと二次性の細菌性気管支炎の両者が考えられる.合併する細菌感染症は気管支などの下気道だけでなく,副鼻腔炎,咽頭炎,扁桃炎も惹起されるので,注意が必要である.
 ウイルスによるかぜ症候群では対症療法のみの治療となるが,細菌感染合併例では抗生物質の投与が必要となってくる.細菌感染を合併したことを示唆する所見は,上気道であれば局所の発赤,腫脹,膿性滲出物が重要であり,気管支炎であれば膿性痰の増加である.もちろん長期の高度発熱,末梢白血球数の増加,高度の血沈亢進,CRPなどの炎症反応亢進も細菌感染合併を疑わせる所見として重要であるが,外来でいち早く判断するには上記のような局所の理学的所見や喀痰の性状から判定するほうが実際的である.

市中肺炎の治療

著者: 新実彰男 ,   久世文幸

ページ範囲:P.1696 - P.1699

ポイント
1)喀痰,血液,胸水などからの菌の分離や血清学的診断法により,起炎菌を決定する努力を怠ってはならない.しかし結果が判明するまでに一定の時間を要し,また有意な結果が得られず起炎菌を決定し得ない例も少なくない.したがって,患者の背景因子(年齢,基礎疾患の有無など)や臨床所見(胸部X線所見,喀痰の有無,呼吸器以外の全身症状の有無など)から起炎菌を推定して,適切と考えられる抗菌薬を選択し,早急に治療を開始する必要に迫られることが多い.起炎菌が判明した時点で投与中の薬剤を緊急に再評価し,必要なら適切な薬剤に変更することは述べるまでもない.
2)基礎疾患のない若年者では肺炎球菌,マイコプラズマ,ウイルス,クラミジア(Chlamydia psittaci),レジオネラが主要な起炎菌である.軽症例では経口抗菌薬による外来治療が可能であり,マクロライド系,テトラサイクリン系,ニューキノロン系薬剤などが第1選択剤となる.中等症〜重症例では入院の上で,マクロライド系,テトラサイクリン系やペニシリン系,セフェム系薬剤などの点滴投与を行う.起炎菌としてマイコプラズマ,クラミジア,レジオネラの可能性が大きい場合は,ペニシリン系あるいはセフェム系薬剤の選択は不適切であることは留意する必要がある.

急速に悪化する肺炎の治療

著者: 渡辺彰

ページ範囲:P.1700 - P.1703

ポイント
1)起因病原を再検討する必要がある.
2)病原微生物以外の要因を検討する.
3)抗生物質の選択(抗菌力,病巣移行性)を再検討する.
4)現行抗生物質の投与量・時間・回数を再検討する.
5)サイトメガロウイルス肺炎やカリニ肺炎は急速に増悪しやすい.

院内感染肺炎の診断と治療

著者: 澤江義郎

ページ範囲:P.1704 - P.1706

ポイント
1)院内感染肺炎はcompromised hostに併発することが多く,難治性で重症のことが多い.
2)起炎菌はグラム陰性桿菌のことが多い.黄色ブドウ球菌,真菌,ウイルス,原虫などによることもある.
3)的確な診断により,早期に抗菌薬療法を開始する必要がある.
4)抗菌薬の投与法,併用療法を工夫する.

急性白血病に合併した肺炎の治療

著者: 大本英次郎 ,   林恭一

ページ範囲:P.1708 - P.1709

ポイント
1)急性白血病における肺炎の重症度は,好中球減少の程度と期間に密接に関連する.
2)好中球減少に伴う肺炎は,発症時一般に炎症反応に乏しいことが特徴である.
3)開始時の抗生剤は広域スペクトラムをもつ多剤併用とし,分離菌が明らかになった時点で,より適切な抗生剤へと変更する.
4)肺炎は好中球の増加とともに一時的に増悪することがある.
5)抗生剤終了のタイミングとしては,好中球の増加,解熱,胸部X線像,理学的所見,CRPの改善を指標とする.

X線所見からの肺炎へのアプローチ

著者: 渡辺文彦 ,   水野富一

ページ範囲:P.1710 - P.1713

ポイント
1)胸部単純X線写真は肺炎の早期発見,病変部位,重症度の診断,治療効果の判定に必須である.
2)胸部単純X線写真上の肺炎発見のポイントと陰影を肺胞性と間質性に大別し解説した.

胸膜炎へのアプローチ

著者: 下方薫

ページ範囲:P.1714 - P.1716

ポイント
1)肺炎随伴性胸膜炎,膿胸,結核性胸膜炎が感染性胸膜炎として日常臨床上とくに重要である.
2)胸膜炎における胸水は滲出性である.
3)胸水の細菌学的,生化学的,病理学的検査,細胞成分の検討が鑑別診断に重要である.

消化管感染症

細菌感染症へのアプローチ

著者: 味澤篤

ページ範囲:P.1718 - P.1722

ポイント
1)1988〜90年にかけて,赤痢,腸チフス・パラチフス,コレラの割合に変化はみられないのに対し,非チフス性サルモネラ症や,カンピロバクターは増加傾向にある.
2)赤痢,腸チフス・パラチフス,病原大腸菌は国外感染が多く,一方,非チフス性サルモネラ,カンピロバクターは国内感染の割合が高い.
3)コレラも国外感染が主であるが,輸入食物によって国内で大規摸に感染が生じることもある.
4)消化管細菌感染症の診断には病歴の聴取が重要であり,渡航歴の有無,食中毒の可能性の有無,発熱,腹痛の部位,下痢の性状などがとくに重要である.

外国旅行と下痢

著者: 金城福則

ページ範囲:P.1724 - P.1726

ポイント
1)海外旅行中の飲食は火熱処理したものをとる.
2)海外旅行者下痢症の起因菌は毒素原性大腸菌,サルモネラ,腸炎ビブリオが多い.
3)消化管感染症の治療にはニューキノロン系抗菌剤が有効のことが多い.
4)カンピロバクター腸炎にはクラリスロマイシン(クラリス®)の投与を行う.

病原性大腸菌と消化管

著者: 橋本起一郎 ,   相澤好治

ページ範囲:P.1727 - P.1729

 平成2年10月,死者2人を含む36人の入院患者を出した埼玉県浦和市の幼稚園集団下痢事件は記憶に新しい.その原因菌として出血性大腸菌がクローズアップされた.一方,最近注目されている輸入腸管感染症としてはコレラや細菌性赤痢といった法定伝染病が重要なことはいうまでもないが,頻度からみれば毒素原性大腸菌が最も頻繁に分離されている.
 本稿では,下痢腸炎の原因となる4種の腸管病原性大腸菌に起因するそれぞれの疾病の特徴,化学療法のあり方について概説する.

抗生剤と下痢

著者: 黒田芳信 ,   藤岡利生

ページ範囲:P.1730 - P.1731

ポイント
診断のポイント
1)下痢発症前の抗菌薬投与の有無
2)下痢・腹痛・発熱を主症状とする
3)大腸内視鏡検査(偽膜の形成)
4)便培養にてC.difficileの同定
5)糞便よりC.difficileの毒素の証明
治療のポイント
1)原因と考えられる抗菌薬をすべて中止する
2)腸管の安静と体液のバランスの維持
3)重症例にはバンコマイシンまたはメトロニダゾールの経口投与

肝・胆道系感染症

肝膿瘍の診断と治療

著者: 内田重行 ,   北見啓之 ,   佐藤信紘

ページ範囲:P.1732 - P.1734

ポイント
1)肝膿瘍が疑われた場合には,腹部超音波検査,腹部CT検査を早期に施行する.
2)経皮経肝膿瘍ドレナージ,または経皮経肝胆道ドレナージを施行し,排膿および膿瘍腔内の洗浄により減圧をはかる.
3)起炎菌としてはE.coli, Klebsiella,Pseudomonasが多いが,嫌気性菌が増加しつつある.
4)初期治療の抗生剤は上記起炎菌を想定し,肝組織,および胆汁中への移行のよいセファマイシン系,ペニシリン系抗生剤がfirst choiceとなる.

胆嚢炎・胆管炎の治療

著者: 牧野勲

ページ範囲:P.1736 - P.1737

ポイント
1)胆道感染症に使用する抗生剤の選択には,起炎菌に対して感受性を有すること,胆汁移行性が良好であること,作用を減ずるβ-lactamaseに対し安定であること,副作用の少ないことを考慮する.
2)第1選択剤は軽症〜中等度症例の場合,AB-PC,ニューキノロン剤を使用する.中等度以上の症例にはPIPC,CEZ,CMZ,CTTを使用し,無効ならCPZ,LMOXに切り替える.難治例にはCPZ,CAZを投与する.
3)胆道感染の治療には,その背後にある胆汁うっ滞の病態を把握し,胆汁うっ滞が高度な場合は胆道ドレナージの処置を行う.

中枢神経系感染症

中枢神経系感染症へのアプローチ

著者: 北川泰久

ページ範囲:P.1738 - P.1745

ポイント
1)アナムネーゼでは頭痛,発熱の推移,感染巣の有無,来院直前までの薬物治療の内容をよく聞き,神経学的所見としては髄膜刺激症状を丹念にみる.
2)髄液の塗抹は起因菌を最も早期に推定できる大切な検査である.
3)化学療法剤を投与する際,髄液への移行の程度を常に考える.
4)起因菌が決定するまでの抗生剤としては,CTXあるいはCTRXとABPCか,LMOXとABPCの組み合わせがよい.
5)菌が同定されたら,その菌に最も有効な薬剤を,化膿性髄膜炎の場合はCRPが陰性化するまで,結核性髄膜炎では約1年,真菌性髄膜炎では少なくとも6週間投与する.
6)単純ヘルペス脳炎を疑ったなら,できるだけ早期にacyclovirを投与する.

髄膜炎の治療

著者: 小林芳夫

ページ範囲:P.1746 - P.1747

ポイント
1)髄膜炎においては,選択抗生剤は髄液への移行が良好であるというのが絶対的条件となる.
2)Penicillin系抗生剤が髄液への移行が良好である.
3)髄液への移行が良好である薬剤としてChloramphenicol(CP)があることを忘れてはならない.
4)髄膜炎菌髄膜炎は流行性脳脊髄膜炎と呼ばれ,法定伝染病であり,隔離病棟に患者を収容して治療にあたる必要がある.
5)髄膜炎菌髄膜炎患者の家族や接触者に抗生剤を予防投与する.
6)L.monocytogenes髄膜炎は,主として自己免疫疾患患者で副腎皮質ステロイド剤の投与中であるとか,高齢者にみられる.
7)副腎皮質ステロイド剤の併用は,適切な抗生剤が投与されている限り積極的に併用すべきと考えている.

space occupying lesionと発熱

著者: 長沢浩平

ページ範囲:P.1748 - P.1750

ポイント
1)中枢神経系の感染症でSOLの形をとるのは大部分が脳膿瘍である.
2)その起炎菌は,外傷や術後に続発する場合S.aureusが多い以外は,耳鼻科領域や心肺病巣から転移の場合,嫌気性菌や弱毒のStreptococcus属が多いのが特徴で,化膿性髄膜炎とは異なる.
3)脳膿瘍は頭蓋内SOLとして,頭痛や局所神経症状で発症することが多く,感染炎症症状である発熱の頻度は比較的低く(50%以下),無熱であることをもって脳膿瘍の診断を否定することはできない.
4)脳膿瘍はその特徴的なCT像により脳腫瘍と鑑別される.

尿路感染症

尿路感染症へのアプローチ

著者: 村井勝

ページ範囲:P.1752 - P.1756

ポイント
尿路感染症(urinary tract infection;UTI)と起炎菌
1)基礎疾患の有無で単純性と複雑性に分ける.
2)単純性UTIの起炎菌はE.coliが多い.
3)複雑性UTIの起炎菌はPseudomonas,Enterobacterなどグラム陰性桿菌とEnterococcusが多く,複数菌感染が多い.
UTIの治療
1)単純性膀胱炎:合成化学療法剤,ABPC,第1世代セフェム系を3〜7日間投与.
2)単純性腎盂腎炎:外来患者では膀胱炎と同様経口剤を,入院患者では第1世代セフェム系の注射剤を7〜10日間投与.
3)複雑性UTIには,外来患者では広域性合成化学療法剤を投与し,入院患者では第2世代または第3世代セフェム系を7〜10日間投与.
4)膀胱炎で3〜7日間,腎盂腎炎で7〜10日間投与しても改善しないものは複雑性と考え,基礎疾患の検索を行う.
5)起炎菌の各種抗菌剤感受性が判明したならば,ただちに適切な抗菌剤を選択し投与する.
6)症状が消退しても膿尿(尿中白血球5個/HPF以上)が改善するまで治療を続け,1週間の休薬後に再発の有無をチェックする.

男性の尿路感染症

著者: 岡田敬司

ページ範囲:P.1757 - P.1759

ポイント
1)男性は尿道が長く,細菌が侵入しにくいので,単純性UTIは少ない.
2)尿路結石,腫瘍,前立腺の諸疾患,神経因性膀胱などの尿流障害を起こす基礎疾患を伴う場合が多い.
3)中高年男性のUTIで,尿路に異常がない場合,慢性細菌性前立腺炎が関与していることが多い.
4)乳幼児では包茎や先天奇形を伴うことが多く,UTI症状が隠されることもあるので注意が必要である.

女性の尿路感染症

著者: 上間健造

ページ範囲:P.1760 - P.1762

ポイント
1)自排尿での尿沈渣所見や培養検査が症状や治療経過と一致しない患者では,カテーテル尿での再検査が必要である.
2)急性単純性尿路感染症(腎盂腎炎,膀胱炎)は性的活動期に多く,起炎菌は圧倒的にE.coliの単独感染である.慢性複雑性尿路感染症は中高年者に多く,起炎菌は多種多様で複数菌感染による難治性症例も多い.
3)急性単純性膀胱炎は,経口剤(βラクタマーゼ阻害剤を含むペニシリン系薬剤,新経口セフェム剤,ニューキノロン剤など)による外来治療を5日間前後行う.
4)経口摂取可能で比較的全身状態の良好な急性単純性腎盂腎炎は,ニューキノロン剤などによる外来治療を14日間程度行う.
5)無症状の慢性複雑性尿路感染症は,ニューキノロン剤などによる外来治療を7〜14日間行う.
6)経口摂取不十分な急性単純性腎盂腎炎や慢性複雑性腎盂腎炎の急性増悪例では,十分な補液と点滴静注剤による5〜7日間の入院治療を行い,解熱後にニューキノロン剤などによる7〜10日間の外来治療を行う.
7)点滴静注剤では,PIPC(piperacillin)や第3世代セフェム剤が選択されることが多い.

糖尿病と尿路感染症

著者: 武村次郎

ページ範囲:P.1763 - P.1765

ポイント
1)糖尿病患者は易感染性であり,尿路感染症に罹患しやすい.
2)抗菌剤投与前に必ず尿培養を行う.
3)コントロールの悪い糖尿病患者では重症化しやすい.
4)腎機能低下例では中間型の抗菌剤を常用量より少なめに投与する.

皮膚・軟部組織感染症

皮膚・軟部組織感染症へのアプローチ

著者: 渡辺健太郎

ページ範囲:P.1766 - P.1768

ポイント
1)皮膚感染症は,皮疹の特徴・分布,感染源,患者の全身状態といった情報により起因菌が推定され,抗生剤が選択される.
2)軟部組織感染症は,緊急の外科的処置を要する場合が多く,迅速な診断,起因菌同定が必要である.

糖尿病と軟部組織感染症

著者: 熊倉忍 ,   松田文子

ページ範囲:P.1770 - P.1772

●糖尿病と易感染性
 糖尿病患者に感染の合併頻度が高いことはよく知られている.糖尿病患者に感染症が多い理由の1つに,糖尿病の代謝異常に伴う感染防御機構の低下がある(図1)1,2.インスリン作用が不足すると,白血球内のブドウ糖代謝が低下し,貪食遊走能が低下する.その程度は血糖のコントロールと相関し,コントロールが悪いほど低下してくる.Bリンパ球の機能は一応正常とされているが,Tリンパ球の機能は低下しているとの報告がある.組織における易感染性の原因として,糖尿病性細小血管障害のため組織への酸素供給が減少していること,神経障害のあることなどがあげられる.末梢神経障害が進行すると,皮膚の温痛覚が低下し,外傷や熱傷を受けても気がつかず放置することが多く,細菌が侵入しやすくなる.糖尿病性腎症が進行し,低アルブミン血症や浮腫が生じると,局所の循環障害が悪化し,感染症は難治化する.

褥瘡の治療

著者: 小泉雄一郎

ページ範囲:P.1773 - P.1775

ポイント
1)褥瘡は,わが国の高齢化社会の到来とともに重要多発疾患となってきている.予防と治療はその対策の2本柱であるが,治療において抗生物質,抗菌剤の応用はきわめて大事なことである.
2)本症は仙骨部,踵骨部,大転子部,腓骨小頭部などの皮膚が,長期療養などのため硬い骨との間に循環不全を起こし,潰瘍状となるものをいう.しかし本症を発症するケースははじめから全身状態の悪いものが多いわけで,その該当する皮膚・軟部組織に感染症は必発である.
3)したがって,その治療には抗菌剤の応用が必要であることが多い.とくに局所療法の場合は必要であることが少なくない.しかし,褥瘡部からの血行性・リンパ行性の全身感染(敗血症など)もあり得るので,全身抗菌剤治療がこの際は必要となる.

その他の感染症の治療

原因菌判明前の敗血症の治療

著者: 澤木政好

ページ範囲:P.1776 - P.1777

ポイント
1)基礎疾患をもった患者の発熱には積極的に敗血症を疑い,血液培養を行う.
2)宿主の免疫能が悪いほど敗血症の原因菌は増加する.
3)広い抗菌域と強い抗菌力を有する薬剤を選択する.第3世代セフェムとイミペネム/シラスタチンが中心薬剤となる.
4)第3世代セフェムには抗緑膿菌作用を有するものと有しないものがある.
5)イミペネム/シラスタチンは最も広い抗菌域を有し,強い抗菌力を有している.

心内膜炎の治療

著者: 小林芳夫

ページ範囲:P.1778 - P.1779

ポイント
1)本症の治療においては,心内膜や弁膜に付着した疣贅中の細菌を完全に死滅せしめる必要があるため,強力な化学療法を必要とする.
2)治療開始が遅延すれば,それだけ弁の破壊も進行し,予後不良となりやすい.
3)またこれらの理由により,常に第1選択薬剤として認知されている薬剤を使用する.
4)in vitroの感受性試験のみで安易に新薬を使用しない.
5)S.agalactiaeでは弁破壊が高度で,弁置換術を要することも多い.
6)S.aureusによる場合,感受性成績が判明するまではPCG耐性菌と考えて治療をする.
7)Culture negative IEの場合,NVEではS.viridansを,PVEではS.aurezasやS.epi-dermidisを想定して治療にあたる.
8)アレルギー反応としての発熱には,副腎皮質ステロイド剤を投与する.

不明熱への対策

著者: 高野慎

ページ範囲:P.1780 - P.1781

ポイント
1)不明熱の3/4は感染症,悪性腫瘍,全身性結合織疾患のいずれかである.
2)安易な解熱剤,抗菌剤の投与は控え,原因疾患の診断に全力をつくす.
3)敗血症など重症感染症が疑われる場合には抗菌剤の投与を行ってよいが,起因菌の検出のための検査は頻回に行う.
4)ステロイド剤適応疾患の確定診断がつかないうちは,ステロイド投与をするべきでない.

真菌感染症の治療

著者: 舟田久

ページ範囲:P.1782 - P.1783

ポイント
1)真菌症の原因菌には,カンジダ,アスペルギルス,クリプトコックス,ムーコルが多い.
2)アムホテリシンBが最も広い抗菌域をもち,抗菌力も強いが,重篤な副作用が多い.
3)ミコナゾールとフルコナゾールは副作用が少ないが,ムーコル症に無効である.
4)フルシトシンとフルコナゾールの髄液移行が良好である.前者はアムホテリシンBと併用するが,骨髄抑制に注意する.
5)抗細菌薬治療に反応しない好中球減少患者の発熱は,経験的抗真菌薬治療の適応である.
6)好中球減少患者の抗真菌薬治療は,顆粒球コロニー刺激因子の併用で奏効することがある.
7)抗真菌薬治療は効果発現が緩徐で長期にわたるので,副作用に注意を要する.

免疫不全症と感染症の治療

著者: 青木泰子

ページ範囲:P.1784 - P.1789

ポイント
 免疫不全に合併する感染は,
1)迅速な対応が必要である.感染巣の把握と起因菌の検出に努めると同時に,広域スペクトラム抗菌薬の投与を開始する.
2)基礎疾患により対応が異なる.免疫不全病態の適切な評価が必要である.病態に応じた補充療法が有効なことがある.
3)起因菌は弱毒菌であることが多いが,抗菌薬や消毒薬に耐性を示すことが多い.

院内感染のoverview

著者: 林泉

ページ範囲:P.1791 - P.1797

ポイント
1)院内感染の証明は,同一菌であることを証明する.
2)内因性感染と外因性感染に分けて考える.
3)S. Aureus(とくにMRSA)とP. aeruginosaが重要.
4)E. faecalis,S. epidermidisが増加している.
5)真菌,とくにCandidaに注意.
6)院内感染原因菌は環境由来菌が多いため,環境(とくに床)の浄化が大切である.
7)全病院的構成による院内感染対策委員会が必要である.
8)院内感染の発生と蔓延の程度を知るため,サーベイランス活動が必要である.
9)院内感染対策は,常時対策と非常時対策が行われなければならない.
10)最近ではMRSA問題がクローズアップされており,ポピドンヨード剤中心の環境浄化が必要である.
11)気管ストーマを有する患者には除菌対策が必要である.

MRSA感染症

著者: 小田切繁樹

ページ範囲:P.1799 - P.1802

ポイント
1)MRSA感染症は院内感染としてcom-promised hostに発症する.
2)MRSA感染症の対策では,この感染の拡大を未然に防止することが最も重要である.
3)感染源対策は本感染患者の隔離と保菌者のチェック・処理が中心となる.
4)感染経路対策は院内汚染の防止にあり,厳重な手洗いと適切な消毒剤の使用が中心となる.
5)術後患者を含むcompromised hostに対しては,抗菌剤の適正使用が要求される.
6)医療機関は医療従事者を啓蒙し,院内感染症対策委員会を設置することが急務である.

カラーグラフ 冠動脈造影所見と組織像の対比・32

Directional Coronary Atherectomy

著者: 堀江俊伸

ページ範囲:P.1808 - P.1810

●高度の偏心性狭窄に対してAtherectomyを施行した例
 症例 60歳,男
 現病歴 11月末より朝出勤途中15分歩行すると胸部圧迫感が出現し,ゆっくり歩き続けると5分間位で改善していた.12月初旬より胸部圧迫感の回数が増加したため,近くの病院を受診し,ニトログリセリン舌下錠を処方された.12月12日,就寝中に冷汗を伴う胸痛が出現したため,当院を受診し,入院した.
 冠動脈造影では右冠動脈(Seg2)に99%狭窄を認めた(図1).高度の偏心性狭窄であるためAtherectomyを施行し,狭窄は99%から0%になった.冠動脈切除標本は13個であり,組織標本を作成した(図3).

Oncology Round・20

縦隔に初発するNS型ホジキン病

著者: 赤塚誠哉 ,   内田光枝 ,   片山勲

ページ範囲:P.1819 - P.1823

 ホジキン病というと非腫瘍性の疾患のように聞こえるが,非ホジキンリンパ腫とともに悪性リンパ腫の2大分類を分かちあっている立派な悪性腫瘍であり,病理組織像によりリンパ球優勢型(LP),結節硬化型(NS),混合細胞型(MC),リンパ球減少型(LD)の4型に分類されていることは,読者諸氏がすでによくご存知のとおりである.しかし,この病理学的4分類と臨床像(年齢,性,浸潤部位,症状,予後など)との間に高度の相関があることは案外よく知られていない.たとえば若年女性の縦隔に初発するホジキン病は,ほとんどすべてNS型であるといってもよいくらいに,NS型の好発する年齢・性・部位は特徴的である.
 今回はその意味で典型的なホジキン病NS型の症例を提示する.

グラフ 内科医のための胸部X-P読影のポイント・7

肺癌(3)—無気肺症例

著者: 松井祐佐公 ,   楠目馨

ページ範囲:P.1824 - P.1829

症例
 患者 72歳,男性
 主訴 湿性咳嗽,労作時息切れ,体重減少
 現病歴 1990年8月末頃より,白色痰を伴う咳および階段,坂道歩行時の息切れに気づき,近医受診.投薬治療を受けたが,症状が改善しないため,10月当科外来を紹介され,胸部X線上,左下葉の無気肺が認められ,精査治療目的で入院となった.なお,1年間に体重が約6kg減少している.

演習

目でみるトレーニング

ページ範囲:P.1812 - P.1817

検査

検査データをどう読むか

著者: 橋本琢磨

ページ範囲:P.1830 - P.1832

 患者:45歳,女性.主訴:易疲労感,耐寒性低下.既往歴:特記すべきことなし.家族歴:甲状腺疾患の患者はいない.現病歴および現症:1986年9月,甲状腺腫と血中甲状腺ホルモンの高値が見出されたが,それ以上の検査,治療を受けることなく放置した.1987年3月頃より,易疲労感,耐寒性低下,物忘れが著明になり,動作が緩慢になってきた.4月,公立能登総合病院内科を受診した.初診時現症と検査成績:びまん性甲状腺腫あり(II度),横径7cm,手指振戦なし,眼球突出あり(17mm),血中FT3 0.60pg/ml(2.25〜5.36),FT4 0.14ng/dl(0.7〜2.1),TSH 47.1μU/ml(0.1〜5.1),抗サイログロブリン抗体〔TGHA〕(-),抗マイクロゾーム抗体〔MCHA〕102,400倍,TSH受容体抗体〔TBII〕85.4%(10%以下),以上の成績より原発性甲状腺機能低下症と診断し,チラージンS(100 μg/日)投与を開始した.甲状腺腫および甲状腺機能は速やかに改善し,euthyroidになった.この時,TBII(TSH binding inhibiting immunoglobulins),TSI(刺激型TSH受容体抗体),TSBAb(阻害型TSH受容体抗体)の測定を行ったところ,それぞれ81.7%(<10%),120%(<145%),93%(<40%)であった.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

60巻13号(2023年12月発行)

特集 一般医家のための—DOAC時代の心房細動診療

60巻12号(2023年11月発行)

特集 内科医が遭遇する皮膚疾患フロントライン—「皮疹」は現場で起きている!

60巻11号(2023年10月発行)

増大号特集 患者さんの質問にどう答えますか?—言葉の意味を読み解きハートに響く返答集

60巻10号(2023年9月発行)

特集 ミミッカー症例からいかに学ぶか

60巻9号(2023年8月発行)

特集 症例から読み解く—高齢者診療ステップアップ

60巻8号(2023年7月発行)

特集 浮腫と脱水—Q&Aで学ぶジェネラリストのための体液量異常診療

60巻7号(2023年6月発行)

特集 整形外科プライマリ・ケア—内科医が知りたい整形外科疾患のすべて

60巻6号(2023年5月発行)

特集 Common diseaseの処方箋ファイル—臨床経過から学ぶ20症例

60巻5号(2023年4月発行)

特集 臨床医からみたPOCT

60巻4号(2023年4月発行)

増刊号 探求!マイナーエマージェンシー

60巻3号(2023年3月発行)

特集 令和の脳卒中ディベート10番勝負—脳卒中治療ガイドライン2021とその先を識る

60巻2号(2023年2月発行)

特集 慢性疾患診療のお悩みポイントまとめました—高血圧からヘルスメンテナンスまで

60巻1号(2023年1月発行)

特集 10年前の常識は非常識!?—イマドキ消化器診療にアップデート

59巻13号(2022年12月発行)

特集 令和の頭痛診療—プライマリ・ケア医のためのガイド

59巻12号(2022年11月発行)

特集 避けて通れない心不全診療—総合内科力・循環器力を鍛えよう!

59巻11号(2022年10月発行)

増大号特集 これからもスタンダード!—Quality Indicatorの診療への実装—生活習慣病を中心に

59巻10号(2022年9月発行)

特集 ちょっと待って,その痛み大丈夫?—“見逃してはいけない痛み”への安全なアプローチ

59巻9号(2022年8月発行)

特集 不安を自信に変える心電図トレーニング—専門医のtipsを詰め込んだ50問

59巻8号(2022年7月発行)

特集 日常診療に潜む臨床検査のピットフォールを回避せよ

59巻7号(2022年6月発行)

特集 抗菌薬の使い方—敵はコロナだけにあらず! 今こそ基本に立ち返る

59巻6号(2022年5月発行)

特集 ジェネラリストの羅針盤—医学部では教わらなかった28のクエスチョン

59巻5号(2022年4月発行)

特集 症例から学ぶ—電解質と体液量管理のベストアンサー

59巻4号(2022年4月発行)

増刊号 フィジカル大全

59巻3号(2022年3月発行)

特集 成人が必要とするワクチン—生涯を通した予防接種の重要性

59巻2号(2022年2月発行)

特集 意外と知らない? 外用薬・自己注射薬—外来診療での適“剤”適所

59巻1号(2022年1月発行)

特集 クリニカルクエスチョンで学ぶ糖尿病治療薬—糖尿病治療の新しい潮流

56巻13号(2019年12月発行)

特集 プライマリ・ケアのための—ポリファーマシー「超」整理法

56巻12号(2019年11月発行)

特集 内科医が押さえておくべき—検査の考えかたと落とし穴

56巻11号(2019年10月発行)

特集 不明熱を不明にしないために—実践から考えるケーススタディ

56巻10号(2019年9月発行)

特集 脱・「とりあえずCT」!—スマートな腹痛診療

56巻9号(2019年8月発行)

特集 みんなが知っておきたい透析診療—透析のキホンと患者の診かた

56巻8号(2019年7月発行)

特集 一歩踏み込んだ—内科エマージェンシーのトリセツ

56巻7号(2019年6月発行)

特集 抗菌薬をアップデートせよ!—耐性菌に立ち向かう! 適正化の手法から新薬の使い分けまで

56巻6号(2019年5月発行)

特集 糖尿病診療の“Q”—現場の疑問に答えます

56巻5号(2019年4月発行)

特集 しまった!日常診療のリアルから学ぶ—エラー症例問題集

56巻4号(2019年4月発行)

増刊号 一人でも慌てない!—「こんなときどうする?」の処方箋85

56巻3号(2019年3月発行)

特集 TPOで読み解く心電図

56巻2号(2019年2月発行)

特集 抗血栓療法のジレンマ—予防すべきは血栓か,出血か?

56巻1号(2019年1月発行)

特集 枠組みとケースから考える—消化器薬の選び方・使い方

55巻13号(2018年12月発行)

特集 これからの心不全診療への最新アプローチ—予防からチーム医療・先進医療まで

55巻12号(2018年11月発行)

特集 内科医のための「ちょいあて」エコー—POCUSのススメ

55巻11号(2018年10月発行)

特集 どんとこい! 内科医が支える—エンド・オブ・ライフ

55巻10号(2018年9月発行)

特集 クリティカル・ケアを極める—一歩進んだ総合内科医を目指して

55巻9号(2018年8月発行)

特集 もっともっとフィジカル!—黒帯級の技とパール

55巻8号(2018年7月発行)

特集 血液疾患を見逃さないために—プライマリ・ケアと専門医コンサルトのタイミング

55巻7号(2018年6月発行)

特集 ここさえ分かれば—輸液・水・電解質

55巻6号(2018年5月発行)

特集 プロブレムから学ぶ感染症診療—すぐに役立つ厳選シナリオ30選

55巻5号(2018年4月発行)

特集 明日のために解くべし!—総合内科問題集

55巻4号(2018年4月発行)

増刊号 プライマリ・ケアでおさえておきたい—重要薬・頻用薬

55巻3号(2018年3月発行)

特集 —クリニカル・クエスチョンで学ぶ—循環器薬の使い方

55巻2号(2018年2月発行)

特集 —デキる内科医の—神経内科コンサルト

55巻1号(2018年1月発行)

特集 気管支喘息・COPD診療に強くなる

icon up
あなたは医療従事者ですか?