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文献詳細

雑誌文献

medicina28巻10号

1991年10月発行

文献概要

今月の主題 臓器感染症と抗生物質の選択 皮膚・軟部組織感染症

糖尿病と軟部組織感染症

著者: 熊倉忍1 松田文子1

所属機関: 1自治医科大学・内分泌代謝科

ページ範囲:P.1770 - P.1772

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●糖尿病と易感染性
 糖尿病患者に感染の合併頻度が高いことはよく知られている.糖尿病患者に感染症が多い理由の1つに,糖尿病の代謝異常に伴う感染防御機構の低下がある(図1)1,2.インスリン作用が不足すると,白血球内のブドウ糖代謝が低下し,貪食遊走能が低下する.その程度は血糖のコントロールと相関し,コントロールが悪いほど低下してくる.Bリンパ球の機能は一応正常とされているが,Tリンパ球の機能は低下しているとの報告がある.組織における易感染性の原因として,糖尿病性細小血管障害のため組織への酸素供給が減少していること,神経障害のあることなどがあげられる.末梢神経障害が進行すると,皮膚の温痛覚が低下し,外傷や熱傷を受けても気がつかず放置することが多く,細菌が侵入しやすくなる.糖尿病性腎症が進行し,低アルブミン血症や浮腫が生じると,局所の循環障害が悪化し,感染症は難治化する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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