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雑誌目次

雑誌文献

medicina28巻11号

1991年10月発行

雑誌目次

増刊号 わかりやすいエコー法の臨床

Editorial/エコー法の現況

著者: 伊東紘一

ページ範囲:P.6 - P.7

 「medicina」の臨時増刊号に「エコー法の現況」と題して送りだしたのが1985年であるから,既に6年を経過した.この6年間における超音波医学の進歩もまた順調であったように思える.今回は以前のエコー法の上に新しく得られた知見を基として,内科医のための「わかりやすいエコー法の臨床」を贈りたい.
 エコー法による診断は大きな進歩を遂げてきた.しかし,まだまだ発展途上にある学問である.臨床面でも,それを支える基礎領域においても未開発の部分が多い.その道のけわしいとともに,夢のある道ではある.

エコー法の基礎

良い心エコー図を得るためのコツ

著者: 田内潤 ,   北畠顕 ,   鎌田武信

ページ範囲:P.10 - P.14

 超音波検査は,今や全身の各臓器の診断に用いられているが,そのうち心エコー法は対象臓器である心臓の周囲に超音波を透過させない肺があり,また肋骨を避けて超音波窓を設定させねばならないため,良好な心エコー図を得るためには工夫が必要となる.
 心エコー図の画質には,超音波装置の各種の調整,被検者の状態,検者の検査上の工夫やテクニックが影響する1-3).良好な心エコー図を記録するめにはこれらの各因子を熟知し,調整する努力が必要である.

良い腹部エコー図を得るためのコツ

著者: 万代恭嗣 ,   出月康夫

ページ範囲:P.16 - P.21

 いまや,超音波診断法は画像診断法のひとつとして重要な地位を占めるばかりでなく,卒後初期研修の必修科目となったといっても過言ではない.しかし,この検査法を学ぼうとする人が共通に感じることは,すぐには良い画像を得られないという点である.
 これはひとつには,探触子の走査法をまず習得しなければならないことがあげられる.モニターに現れた画像をもとに,探触子の動きを調整しながら目的の画像を描出できるまでには,ある程度の視覚と連動した手や腕の運動機能の獲得が必要である.また,他の画像診断法と比べて超音波画像は視野が狭かったり,ガスや骨の後ろに隠れる臓器は描出されないといった制約も,本検査法の習熟を妨げる要因となっていよう.

超音波の原理と探触子

著者: 河西千広

ページ範囲:P.22 - P.25

●超音波とは
 われわれ人間が聞くことのできる音の周波数は16Hz程度から16 KHz程度である.これより高い周波数の音波は人間の耳には聞えず,超音波と呼ばれる.超音波は種々の分野で使われており,それに応じて使用する周波数が異なる.

リアルタイム超音波診断装置

著者: 入江喬介

ページ範囲:P.26 - P.31

 リアルタイム超音波診断装置は,電子走査方式の考案により急速な進歩を遂げてきた.
 超音波診断装置の普及の原動力となったリニア電子走査式超音波診断装置は1970年に開発され,腹部,産婦人科領域で広く使われるようになった.この電子走査(電子スキャン)方式の開発により,図1のような探触子を体に当てるだけでBモード像(断層像)を得ることができるようになった.しかも心臓や血管などの動きをリアルタイムで観察できるようになったわけである.

超音波ドプラの原理と装置

著者: 佐々木明

ページ範囲:P.32 - P.36

●ドプラの原理
 ドプラ効果とは,19世紀のオーストリア人Christian Johann Dopplerが発見した,「移動している物体から発生する音を聞いたり,静止している物体の音を移動しながら聞くと,もとの音源の周波数とは異なった周波数の音を聞くことになる」という現象で,発見者の名をとってドプラ効果と呼んでいる.身近な例では,「救急車のサイレン音は,近づいて来るときは,高くなり,遠のくときは低くなって聞こえる」という現象として捉えられる.超音波ドプラも同じ原理で,ある一定周波数の超音波を血管に照射すると,血液から反射する信号の周波数が変化する.この変化をドプラ偏移(Doppler shift)と呼んでいる.
(注)血液からの反射は,主に赤血球からの反射である.赤血球の大きさは10μm程度で超音波の波長(たとえば,2.5MHzの波長は血液での音速を1,560m/sとすると,625μm)に比べ,十分短い.このような反射はガウス分布に基づいた不規則性のノイズ信号として考えることができる.

超音波像のアーチファクト

著者: 秋山いわき

ページ範囲:P.37 - P.41

 アーチファクトとは画像上に本来存在しないものがあたかもそこに存在するかのように表示される偽像のことで,超音波画像にはX線イメージやCTなどには見られない特有の像が現れる.ここでは,超音波像にみられるアーチファクトの代表的なものについて述べる1)

超音波の画像処理

著者: 伊東正安

ページ範囲:P.42 - P.46

 画像診断にとって,画像からいかに診断情報を抽出するかは本質的かつ重要な問題である.診断情報の表示は,メンタルイメージに代わる有効な手段であるので,まず画像の成り立ちを理解し,画像の視認性を積極的に利用することである.
 一般に画像処理は図1のように入力も出力も画像であるが1),画像処理は画像を構成する元の信号の性質,つまり信号処理とも密接な関係にある.超音波の画像処理では,探触子,エコー信号,診断装置のハードウエアの影響も受ける.

超音波解剖—腹部(消化器)

著者: 田中幸子

ページ範囲:P.48 - P.53

 超音波検査においては,いろいろな体表位置からの,また入射角度もさまざまな断層像がリアルタイムの情報としてつぎつぎと得られてくる.これらのおびただしい数の断面像を組み立てて,立体的位置関係を理解することが必要である.
 そのためには,各臓器および大血管,その他,診断のポイントとなる管腔などの相互の位置関係(図1)の十分な把握が,検査に従事する前提として必要である.そのうえで,各臓器,各部分について,超音波ビームが十分に対象に到達し,有効に関心領域の情報を得ることのできるような体表位置,入射角度を求めて装置を使いこなしていけばよい.したがって,「一般的な走査法」にこだわることなく,検者は各被検者にあわせて最良の走査法をみつけだしていくべきといえる.

超音波解剖—腹部(尿路,後腹膜)

著者: 今井幸子 ,   平井都始子 ,   大石元

ページ範囲:P.54 - P.57

●腎の基本走査
 右腎は背臥位で肝をacoustic windowにして,左腎は側臥位で側腹部から長軸像,短軸像の描出を行う.右腎は消化管ガスのため下極が,左腎は脾臓により上極が十分に描出できないことがある.このような場合には腹臥位での走査を併用し,全腎の描出に努める.背筋群や腎周囲脂肪の発達が良好な人では不明瞭になることもある.

超音波解剖—心臓

著者: 平井寛則 ,   原田昌彦

ページ範囲:P.58 - P.64

 心エコー法によって,心疾患を診断し,治療経過をみるためには,二次元表示である断層エコー図と三次元構造を有する心臓の解剖学的位置関係を理解することが大切である.
 本項では断層心エコー法で表示されるエコー図と心内構造物の関係について述べる.

超音波解剖—体表(頸部,甲状腺,乳腺)

著者: 小林正幸

ページ範囲:P.66 - P.67

 臨床の多くの分野で超音波検査法が利用されるようになって久しい.しかも診断装置の開発に伴い,小さな病変が描出されるようになり,腫瘍性病変,それも悪性腫瘍の早期診断には,現在なくてはならない検査法の一つとなった.
 超音波診断装置の違いにより,得られる画像にもその差がみられる.検査の対象となる部位,臓器により最適な診断装置が選択されなければならない.とくに,厚みのある腹部領域と違い,ここで述べる体表から数cm内外にある臓器を対象とする場合は,少なくとも7.5MHz以上の高周波数を利用すべきである.

心エコー法 撮り方と読み方の基本

症状からみた心エコー法の選択と手順

著者: 林輝美

ページ範囲:P.70 - P.73

 Edlerらにより初めて心臓超音波法が開始されて以来30有余年を経る現在,心エコー図法の進歩・発展はめざましい.最近では,従来のMモードエコー図,断層心エコー図に加え,パルス・ドプラ法,連続波ドプラ法,カラードプラ法が既にルーチン検査となった.さらに経食道心エコードプラ法も普及しつつあり,心筋コントラストエコー法や血管内エコー法なども開発の途上にある.このように多種の高度に発達したエコー法を駆使して,より精度の高い診断情報を得ることが求められる時代となった.

経胸壁心エコー法—Mモード法

著者: 天野恵子

ページ範囲:P.74 - P.80

 現在では,断層心エコー法が普及し,Mモード法を単独で用いることは少なくなってきているが,Mモード法は検査対象組織が心臓のように運動している場合,その部位が時間経過とともにどのように動くかを表示するのに便利な方法である.また,断層心エコー図上で計測を行うことは,画質の面から精密さを欠き,また時間的計測には不便なため,通常これらを行うには,断層図上のビーム方向を決めたうえでMモード法を用いる.
 Mモード法を心臓に対して用いる場合,その周波数は,成人では2.5ないしは3.5MHzが一般化している.振動子としては直径10mm前後の平板のものが標準的で,この際,心臓はほぼその近距離音場内に捉えられる.分解能はビーム方向では1〜2mm程度と考えられる.乳児,新生児では5MHzないしそれ以上が用いられ,そのほうが分解能が良くなる.

経胸壁心エコー法—断層法

著者: 別府慎太郎

ページ範囲:P.82 - P.87

●断層心エコー図の撮り方
 1.断層面の設定
 1)任意であるが目的がある
 断層心エコー図における断面の設定は任意である.これは,どのように記録しても良いということと同義ではない.何を観察したいか,その目的により断面は異なる.たとえば四腔像は種々のアプローチの部位から記録できるが,中隔欠損や房室弁付着部の検討には心基部に近い部位からのアプローチが良く,左室壁運動を見るには心尖からのアプローチが適している.
 2)断面像から全体感を
 断層心エコー図検査で大切なことは可能な限り広い範囲を観察し,心臓およびその周辺の地図をつくりあげることである.たとえば,心臓弁膜では,弁膜を構成するのは弁輪,弁尖,腱索,乳頭筋で,それらの前後左右の空間的広がりは予想以上に大きい(図1).それゆえ一方向の断層像だけでは弁を構成する組織全体をチェックできない.正確な診断をし,見落としがないようにするには,心エコー図により弁膜各部位に番地付けをし,その地図のどこにどのような病変が存在するかを書き加えてゆく操作が必要となる.

経胸壁心エコー法—ドプラ法

著者: 三谷真由美 ,   中谷敏 ,   宮武邦夫

ページ範囲:P.88 - P.93

 超音波心臓ドプラ法は心腔内の血流に関する情報,すなわち血流の方向,速度,広がり,流れの性状などを非侵襲的に知ることのできる検査法である.近年,カラードプラ法が開発されてからは二次元的な血流状態が一目でわかるようになり,ドプラ法の臨床応用の範囲はますます増大している.本稿では臨床における基本的な超音波ドプラ検査について述べる.

経食道心エコー法

著者: 大木崇 ,   井内新 ,   福田信夫

ページ範囲:P.94 - P.102

 本来,心エコー法は非観血的検査法であることを特徴とするため,各種循環器疾患の診断に際しては経胸壁アプローチを用いることが原則である.
 しかしながら,日常臨床上,経胸壁アプローチによる記録のみでは得られる情報に制限のある症例に遭遇し,たとえば肥満,慢性肺疾患,小心臓,胸郭変形,人工弁患者などはその典型例である.この原因としては,超音波の透過あるいは反射に障害をきたすこと,あるいは超音波ビームの入射範囲(acoustic window)に制限を余儀なくされることが考えられ,結果として対象となる心臓内の観察視野が狭くなる.

負荷心エコー法

著者: 杉下靖郎 ,   鯵坂隆一 ,   飯田啓治

ページ範囲:P.104 - P.110

●定義,方法
 心機能は種々の因子により成り立ち,そのそれぞれの代償機転により,心機能が全体として維持される.ゆえにその代償機転の状態(予備力)を知るためには,なんらかの負荷を加えて,それに対する反応をみるのがよい.
 心エコー図によっては,左室壁の動き(ドップラー法によっては血流速度)をみることにより心機能を知る.左室壁の動きの低下は,左室全体の心筋自体が障害されている場合と,心筋虚血の発生により局所的・一時的に障害される場合とがある.これらの予備力をみるために負荷心エコー図(stress echocardiography)が用いられる.同様の目的で,核医学法(心プールシンチ)も用いられるが,心エコー法の利点は簡便性であろう.表1に負荷心エコー法の長所と短所(限界)をまとめた.

コントラスト心エコー法

著者: 鄭忠和

ページ範囲:P.112 - P.119

 末梢コントラストエコー法(Peripheral Contrast Echocardiography;PCE)1)は,短絡血流や三尖弁逆流などの右心系の心内異常血流の診断にきわめて有用な方法として用いられている.最近ではPCEによって左心系のコントラストエコー法の記録も可能となり2),PCEの新たな応用が期待されている.
 一方,心筋コントラストエコー法3)(Myocardial Contrast Echocardiography;MCE)は心筋灌流の状態を画像化する新しい方法として注目されている.これは冠動脈内にコントラスト剤を注入して断層心エコー図を記録することにより,その注入冠動脈の灌流領域を,心筋エコー輝度の増強によって他の冠動脈支配領域と区別する方法であり,今後の臨床応用が期待されている.

血管内超音波法

著者: 吉田清 ,   吉川純一

ページ範囲:P.120 - P.123

 近年,血管内超音波診断装置が開発され,動脈壁構造の詳細な観察が可能となりつつある.本法は高周波の振動子を用いるため,距離分解能に優れており,血管壁の微細な構造を詳細に観察することが可能である.したがって,動脈硬化の重症度の判定,さらには動脈硬化の進展,退縮の診断にもきわめて有力な方法であると考えられる.また,バルーンによる冠動脈形成術前後での動脈壁の解剖学的変化の観察にも威力を発揮することが期待される.
 ここでは血管内超音波診断法の現状について述べる.

疾患と心エコー図異常

弁膜疾患—房室弁

著者: 吉田清

ページ範囲:P.124 - P.131

 弁膜症の診断は,超音波法の登場により飛躍的な進歩を遂げた.とくに超音波ドプラ法により逆流の半定量的評価が可能となり,今や心臓カテーテル法や心血管造影法より多くの情報を得ることができるようになっている.弁膜症の超音波診断は,断層法による形態的診断とドプラ法による機能的診断とに分けられる.ここでは僧帽弁疾患,三尖弁疾患の超音波診断について述べる.

弁膜疾患—半月弁

著者: 竹中克

ページ範囲:P.132 - P.137

●検査の手順
 半月弁膜症のエコー検査も,他の心疾患の場合と同様,被検者を左側臥位にして,胸骨左縁左室長軸断面から始める(図1).まず,左室,僧帽弁,大動脈弁レベルのMモード心エコー図を記録し,カラードップラーで異常血流の有無を観察する.左室径の計測は,大動脈弁膜症の手術の適応を考えるのに重要な参考となる.1つの目安としては,大動脈弁閉鎖不全では,左室拡張末期径55mm以上,%FS 25%以下になる前に手術したほうがよい.上行,下行大動脈の拡大やintimal fiapの有無にも注意を払う(図2).
 胸骨左縁短軸断面は,左室,僧帽弁,大動脈弁の各レベルを描出し,またカラードップラー像を観察し,逆流の吹き出し口やカラー信号の太さを調べる.大動脈弁レベルの短軸断面では,大動脈弁を左冠尖,右冠尖,無冠尖に分けて,詳細に調べるが,この際に装置のzoom up機能を使用するとよい(図3).大動脈弁の枚数異常の診断(図3)および冠動脈の描出にも努力する.

弁膜疾患—人工弁,PTMC

著者: 永田正毅 ,   仲宗根出

ページ範囲:P.138 - P.145

●人工弁
 1)人工弁の種類
 人工弁には大きく分けて機械弁と生体弁がある(表1,図1,2,3).機械弁は耐久性には優れているが,半永久的に抗凝血薬投与が必要である.
 生体弁では抗凝血薬投与は一般的に術後3〜6カ月だけであるが,耐久性が機械弁より劣るため適応となる症例は限られる.

感染性心内膜炎

著者: 中村憲司 ,   椎名哲彦 ,   藤田洋子 ,   酒井吉郎

ページ範囲:P.146 - P.150

 感染性心内膜炎とは弁膜に感染巣を有する敗血症の1つである.本来は適切なる抗生剤による内科的治療から始まるが,抗療性心不全,難治性感染症や頻回の塞栓症のときは,たとえ炎症が活動期であっても,感染巣を外科的に摘除することにより劇的な成果が得られるようになり1つつある.炎症の活動期であるがゆえに,非侵襲的な超音波検査法でどこまで診断できるか,この検査法の有用性と限界について認識しておかねばならない.

特発性心筋症—肥大型

著者: 鈴木修

ページ範囲:P.151 - P.157

 心エコー法を用いて心疾患を系統的かつ的確に診断するためには,疾患の概念,病理形態学,病態生理学およびエコー法総論の十分な理解が必要と思われる.
 肥大型心筋症(hypertrophic cardiomyopa-thy:HCM)とは,原因不明の非均等的な左室壁肥厚を呈し,左室内腔の狭小化を示す疾患である.本症では壁肥厚に加え,異常な心筋性状を有するため,生理学的には左室拡張障害を基本的病態とする.また本疾患の亜型として,左室の中部あるいは流出路において収縮期に閉塞をきたす群がある.さらに僧帽弁逆流を合併することも少なくない.一方,心エコー法には,断層法やカラードプラー法をはじめとして各種の手法がある.これらの各手法の特質を理解した上で駆使することにより,解剖(形態)学的および生理(動態)学的な多くの情報が得られ,診断に寄与する.表に肥大型閉塞性心筋症を例にとり,得られる情報を整理して示した.

特発性心筋症—拡張型

著者: 横田慶之 ,   竹内陽史郎 ,   宝田明

ページ範囲:P.158 - P.166

 拡張型心筋症は原因不明に心筋病変が進展する予後不良の疾患であり,左室の収縮能低下および拡大を基本病態とする.
 心エコー法は拡張型心筋症患者の上記基本病態を容易に,かつ非観血的に描出できるルーチンな検査法として用いられている.

心筋炎

著者: 千田彰一 ,   阪本整司 ,   松尾裕英

ページ範囲:P.167 - P.171

 心筋炎とは,心筋に炎症性細胞浸潤が生じ心筋組織に変化をきたしているものであり1),その病態については不明な点も残されているが,軽度の心電図変化のみで経過する不顕性の例から,房室ブロックによりAdams-Stokes症候群をきたす例,高度の収縮不全により心原性ショックに至る例,劇症型(Fiedler心筋炎)まで臨床像も多様である.
 その原因としては,ウイルス,細菌などによる感染性,放射線,電気ショックなどの物理的刺激,化学薬品,また膠原病やサルコイドーシス,それに特発性など多数が挙げられている.なかでもウイルス性,特発性のものが多く,特発性と呼ばれているものも,ほとんどはウイルスが原因と考えられている.最近では,臨床,実験的研究の両面から,ウイルス性心筋炎の後遺症として心拡大を呈する慢性心筋炎と拡張型心筋症との関連が注目されるに至ってきており2),本症診断の重要性が増してきている.

心膜疾患

著者: 羽田勝征

ページ範囲:P.172 - P.177

●検査の手順
 体位は左側半臥位が原則であるが,心膜疾患の多くは心タンポナーデなどの緊急時や開心術直後など自由な体位がとれないことがあり,限られた体位で短時間に行わねばならないことがある.検査は断層法が中心である.胸骨左縁,心尖部および季肋部がプローブの標準的位置である.術直後の場合はエコーウィンドウが限られ,また,肺うっ血が加わっていると,超音波ビームが投入困難で,呼気止めも難しく,良好な断層像は期待できない.Mモード法は,胸骨左縁から左室短軸径を記録する方向で利用される.心臓前方,後方のエコーフリースペースは画面の上下に余裕をもって記録しなければならない.初心者が画面上に心臓を大きく出しすぎて心?液を見落とすことがある.
 タンポナーデにみられる右室前壁の拡張期虚脱や,僧帽弁の偽性逸脱所見,左室後壁側の心膜,心外膜動態,および心室中隔,左室後壁の運動はMモード記録にて判定されるものである.

先天性心疾患—短絡疾患・1(ASD,VSD,ECD)

著者: 深谷隆

ページ範囲:P.178 - P.184

A.心房中隔欠損(ASD)
●検査の手順
 心房中隔欠損の超音波検査手順と主な所見を表1に示す.

先天性心疾患—短絡疾患・2(PDA,Valsalva洞動脈瘤etc)

著者: 森一博 ,   鎌田政博 ,   土肥嗣明

ページ範囲:P.186 - P.193

●検査の手順
 本稿では,大動脈・冠動脈に関連した短絡疾患として,①動脈管開存(PDA),②心室中隔欠損(VSD)を伴うバルサルバ洞動脈瘤,③冠動脈瘻,④左冠動脈肺動脈起始症(Bland-White-Garland症候群=BWG症候群)の4疾患について記載する.VSDを伴わず単独で生じるバルサルバ洞動脈瘤は,バルサルバ洞動脈瘤全体の10%を占めるのみである.また,④は比較的まれではあるが,学童期以降に発見される例もあり(成人型),重要な疾患である.
 これらの疾患の診断には,ドプラ断層法が有用であるが,断層心エコー図による形態の観察,各種ドプラ法による短絡血流の時相分析も重要である.

先天性心疾患—狭窄・閉鎖不全(Ebstein奇形,PS,AS)

著者: 斎藤彰博

ページ範囲:P.194 - P.200

A.Ebstein奇形
 Ebstein奇形は,三尖弁のうち主に中隔炎から後尖にかけて右室壁に異常付着する奇形で,このため三尖弁付着部位が通常よりも心尖方向に偏位したようにみえる.真の三尖弁輪と異常起始部の間は,右房化心室と呼ばれる.また,前尖の過剰拡大と右室壁の菲薄化を合併することが多い.

先天性心疾患—複合心奇形(Fallot四徴症,大動脈縮窄複合)

著者: 里見元義

ページ範囲:P.201 - P.207

 先天性心疾患の多くは単一の病変ではなく,さまざまな部位における種々の程度の短絡,狭窄,逆流の組み合わせである.その中でも,よく知られた組み合わせの疾患に対しては,ファロー四徴症,大動脈縮窄複合,左心低形成症候群,右心低形成症候群などのような名前が与えられている.このように複数の病変が微妙に組み合わさった場合には,心エコー図診断といえども,1つの断面で1つの病変を診断しただけでは疾患全体を診断したことにはならない.複合心奇形の診断の要点は,まず1つの病変をみつけたら,それに合併しやすい病変の組み合わせの存在を知っていることと,できる限り多くの断面を用いて多面的に観察することの2点に集約される.代表的な疾患を挙げながら,その診断手順の実際を示す.

虚血性心疾患

著者: 高元俊彦 ,   坂本二哉

ページ範囲:P.209 - P.215

 虚血性心疾患(心筋梗塞,狭心症)に対する心エコー図検査は,急性期あるいは慢性期のいかんを問わずきわめて有用である.とくに急性心筋梗塞患者に対しては,CCUに超音波装置を常設し経時的な観察を行えば,病態に即した適切な患者管理が可能となる.また,経皮冠動脈形成術(PTCA)や冠動脈血栓溶解療法(PTCR)などに代表されるintervention therapyの効果判定にも有用な検査法といえる.さらにドプラー法検査を的確に行えば,心室中隔破裂など重篤な合併症の診断も容易となる.
 本稿では,虚血性心疾患に対する心エコー図検査の原則的な戦略法(strategy)を概説するとともに,最近の超音波検査法の進歩を紹介したい.

川崎病

著者: 杉村徹 ,   佐藤登 ,   井上治 ,   加藤裕久

ページ範囲:P.216 - P.222

 川崎病は全身の中小動脈における系統的血管炎であり,10〜20%に冠状動脈瘤がみられ,冠状動脈病変が患児の予後を大きく左右するため,その確認および経過を追うことは重要である.1976年,Weymanら1)により左冠状動脈が断層心エコー図により描出可能であることが報告されて以来,川崎病に関して,断層心エコーは経過観察するうえで有用であり,現在不可欠の検査法となっている.ここでは川崎病における心エコーについて述べる.

胸部大動脈疾患

著者: 松崎益徳 ,   友近康明

ページ範囲:P.223 - P.230

●検査の手順
 従来より,超音波法による胸部大動脈の描出には,経胸壁からのさまざまなアプローチが試みられてきた.しかし,とくに成人においては,胸骨,肋骨や肺組織などによりエコービームの進入が妨げられ,経胸壁からのアプローチでは胸部大動脈を明瞭に描出することは困難なことが多かった.近年,胸部大動脈と並走する食道からのアプローチ(経食道心エコー法)により,胸部大動脈疾患を正確に診断できるようになってきた.本方法を用いることで,胸部大動脈への超音波ビームを投入する際に障害となるものはなく,探触子のすぐそばに大動脈像を描出することができる.
 経食道心エコー法より得られた胸部大動脈2方向断面像と記録部位のシェーマを図1に示す.本方法により,胸部大動脈の一部(上行大動脈の上部半分)を除きほぼ全体が明瞭に描出される.そのため,最近では胸部大動脈瘤,とくに,早期の正確な診断が必要である解離性大動脈瘤の疑われる患者には,たとえ急性期であろうとも,鎮静剤の投与下にベッドサイドでの経食道心エコー法が積極的に施行されるようになってきた.また,高周波の探触子の経食道心エコー法を行うことで胸部大動脈壁性状の詳細な観察が可能となり,動脈硬化病変のより早期の診断に有用である.本稿では,経食道心エコー法による胸部大動脈瘤の診断と,さらに胸部大動脈壁の動脈硬化性病変およびその血管特性の評価について述べる.

肺高血圧,肺性心

著者: 岡本光師

ページ範囲:P.231 - P.236

 肺高血圧は,左右短絡疾患,弁膜疾患,左室機能不全,慢性肺疾患,肺塞栓,肺動脈分枝狭窄,原発性肺高血圧などで認められる.これらの原疾患が存在する場合,心エコー・ドプラー検査では,肺高血圧が存在するかどうかを診断することはもちろん,肺動脈圧がどの程度かを必ず評価する必要がある.心エコー・ドプラー法による肺高血圧の診断には,Mモード,断層エコー,パルス・ドプラー法,連続波ドプラー法,カラー・ドプラー法のいずれも有用である.このうち,肺動脈圧の絶対値の推測は,後述するように連続波ドプラー法が最も優れている.

心臓腫瘍

著者: 許俊鋭

ページ範囲:P.237 - P.243

 原発性心臓腫瘍は心腔内および心筋に原発する腫瘍で,Straus1)によれば一般人口に対する発生頻度は0.017%と報告されている.小児ではやや高い頻度が報告されており2),rhabdomyoma,fibroma,myxoma,intracardiac teratoma,angioma,lipomaなどの良性腫瘍が大部分を占める.一般的には心臓腫瘍の70〜80%が良性,20〜30%が悪性と報告され3),悪性にはangiosarcoma,rhabdomyosarcoma,methothelioma,fibrosarcomaなどがある.
 続発性心臓腫瘍には,肺や胸線・リンパ組織など周囲臓器の癌腫や肉腫からの直接浸潤,および遠隔臓器からの転移性の癌腫や肉腫などがある.

心腔内血栓,流動エコー

著者: 中村一彦

ページ範囲:P.244 - P.250

 心腔内血栓は全身への塞栓症の原因となり,臨床上重要な問題である.本症は心エコー法,CT,MRI,心血管造影,血栓シンチグラフィーなどで診断されている.とくに心エコー法は簡便にでき,また,その診断精度が高いので日常臨床上最も用いられている.心腔内血栓は左房,左室に認められることが多いが,右心系に出現することもある.流動エコー(モヤモヤエコー)は血流のうっ滞したところに認められ,血栓症との関連が注目されている.

心機能—左心機能

著者: 福田信夫 ,   井内新 ,   大木崇

ページ範囲:P.251 - P.259

 現在,心機能の評価は,心カテーテル法,RI法,心エコー法などによって行われているが,これらの中でも心エコー法は非侵襲的であり,ベッドサイドにおいて反復して検査ができることから,日常臨床上最もよく用いられる手段となっている1).また,近年急速に普及したドプラ法による血流情報と,従来のMモードと断層心エコー法による心臓内構造物の形態および動態情報を組み合わせることが,より詳細な心機能評価を可能とした.
 以上の点を考慮に入れ,本稿では心エコー・ドプラ法による左心機能評価の臨床的有用性とその限界について述べる.

心機能—右心機能

著者: 白石裕比湖 ,   柳沢正義

ページ範囲:P.260 - P.266

 右室は全身から還流した体静脈血を肺へ送り出す働きをしている.肺動脈圧が正常な場合,右室の機能はポンプというより,むしろ導管に近い1).これは,右室を用いずに体静脈血を肺へ導くFontan手術後患者の血行動態が比較的良好に保たれていることからも証明される.
 右心機能に影響を与える因子として,①右室前負荷(心房中隔欠損や三尖弁閉鎖不全など),②右室後負荷(原発性あるいは二次性肺高血圧,肺塞栓,肺動脈狭窄など),③右室心筋収縮能(・拡張能),(右室心筋梗塞や右室心筋症など),④心拍数(極端な頻脈や徐脈など),が挙げられる.左心不全の状態も,1)左房圧の上昇に伴いbackward effectで肺高血圧となるため,2)左室の拡大に伴い心室中隔が右室側へ膨隆して右室の充満が阻害されるため,右心機能に影響を与える.

腹部エコー法 アプローチと読み方の基本

腹部エコーのスクリーニング法

著者: 木村邦夫 ,   中村広志 ,   安原一彰 ,   大藤正雄

ページ範囲:P.268 - P.273

 腹部エコーの著しい進歩と普及にもかかわらず,一定のスクリーニング法は確立していない.施設によって,また検者によって異なるのが現状である.腹部エコーが腹部臨床のfirst stepの検査法としてのみならず,成人病健診や人間ドックにおける必須検査として定着した現在,スクリーニング法が確立されるべき時にあるように思う.
 ここでは筆者らが行っている腹部スクリーニング法(千葉大学第一内科法)を中心に紹介する.

症状からみた消化器エコーの選択と手順

著者: 竹内和男

ページ範囲:P.274 - P.278

 ここでは,消化器症状のなかで特に超音波検査(ultrasonography,以下US)が診断に有用ないくつかの症候を取り上げ,USの手順・読影のポイント,USを中心とした検査の進め方などについて解説する.

内視鏡超音波

著者: 山中桓夫

ページ範囲:P.280 - P.284

 超音波診断の臨床的役割は,機器の進歩とその普及に相まってきわめて重要となった.その結果,通常の体表走査における超音波の宿命ともいうべき物理学的制約が一層強く認識されることになった.すなわち,従来より指摘されている肺,腸などの含気臓器による超音波侵入妨害,そして体壁構成層による音波の減衰である.これにかわる方法として,これらの音波伝播障害を回避し,目標とする対象を高い解像力で,より鮮明に描写する方法として開発されたのが経消化管的走査,すなわち内視鏡下超音波検査endoscopic ultrasono-graphy(EUS)である.

腹部ドプラ法

著者: 安原一彰 ,   木村邦夫 ,   中村広志 ,   松谷正一 ,   大藤正雄

ページ範囲:P.285 - P.291

 超音波ドプラ法は,ドプラ効果を応用した血流速度計測法であり,1956年里村らにより考案され,以後臨床応用されるようになった.近年パルスドプラ法と超音波診断装置との複合装置の開発により,任意の血管の血流計測が可能になり応用範囲が急速に広まり,腫瘍血流の描出も可能となった.一方,循環器領域において開発されたカラードプラ装置も腹部用に改良され,超音波画像上に血流を描出できるようになった.本稿では腹部におけるドプラ法の応用について概説する.

エコーガイド穿刺—組織診断

著者: 真島康雄 ,   久富順次郎 ,   藤本隆史 ,   小野典之 ,   立石行生 ,   岩井一郎 ,   谷川久一

ページ範囲:P.292 - P.296

 最近の肝細胞癌患者数の増加と慢性肝炎のインターフェロン療法症例の増加に伴い,特に肝臓に対するエコーガイド下穿刺がきわめて頻回に行われるようになった1).超音波診断装置の進歩およびより安全な各種肝生検針の開発により,肝生検は以前にも増してより安全な検査法となっている.これからエコーを始めようとする内科医にとって,また特に盲目的肝生検を行っている内科医にとって,エコーガイド下肝生検法は患者さんのためにぜひマスターしていただきたい医療技術である.消化器領域ではエコーガイド下穿刺による組織診断はほとんどが肝生検についてであり,一部で膵生検も試みに行われているが一般的ではなく,未だ安全性に疑問もあるので本稿では肝生検について述べたい.

エコーガイド穿刺—造影診断

著者: 唐沢英偉 ,   五月女直樹

ページ範囲:P.298 - P.303

 腹部の穿刺造影検査において超音波映像を用いることの利点は,各種の穿刺造影の安全性と確実性を増し,X線の被曝を軽減することにある.また最近の進歩した腹部カラードプラ装置が使用できれば,穿刺を避けるべき動脈や門脈などの同定に役立ち,出血や感染の危険性を少なくできる.最新の超音波装置を用いてもエコーガイド穿刺造影法の基本は穿刺術であり,経験のある指導者のもとで十分にトレーニングすることが大切である.

エコーガイド穿刺—エタノール注入療法

著者: 品川孝

ページ範囲:P.304 - P.309

 超音波映像下穿刺による経皮的エタノール注入療法(PEI:percutaneous ethanol injection)の開発により,肝細胞癌および肝嚢胞の治療法は従来と大きく変わってきた.とくに小肝細胞癌に対しては根治的効果が認められ,治療成績も良好である1,2).したがって,超音波を用いて肝細胞癌の早期診断から治療まで可能となった.本稿では,経皮的エタノール注入療法による肝細胞癌,および肝嚢胞の治療の実際について述べる.

消化器疾患,特に肝の術中エコー

著者: 竜崇正

ページ範囲:P.310 - P.313

 超音波検査(エコー)の普及は目ざましいものがあり,エコーなくして診断治療はできない時代になってきている.このエコーを術中に応用することにより,視診や触診では診断困難な小病変の同定や,その病変と周囲組織との関係を簡単に把握することができ,より安全で確実な手術を行うことができる.筆者らは1980年より肝,胆道,膵の手術にエコーを応用している1)が,今回肝の術中エコーの実際とその有用性について報告する.

疾患と腹部エコー図異常

腹部救急エコー

著者: 冨田周介

ページ範囲:P.314 - P.318

 急性腹症(広義)の診断において,理学的所見や白血球の増加の果たす役割が重要なことは依然変わらない.しかし腹部単純X線の役割については,すでにUSにその位置を委ねたようである.USはベッドサイドでも施行でき,即時に映像が得られ,直接その病態の核心に迫る.
 検査方法については,一般のUS施行時と同様である.強いて言えば,患者の最も痛みのある部位を重点的に検索することである.

小児の腹部エコー

著者: 伊藤邦泰 ,   相原敏則

ページ範囲:P.319 - P.325

●適応と禁忌
 診断に用いられる超音波のエネルギーは全く非侵襲的である.したがって禁忌はない.しかし正確な診断に至るためには,超音波検査を施行する段階でそれ以前に得られた臨床情報・検査成績から,考えられる疾患群,鑑別すべき疾患群が絞られているべきである.そのためには小児疾患について必要にして十分な知識と経験を有していなければならない.“Children are not just small adults.”という言葉があるように小児の疾患構成は成人のそれとは全く異なるからである.“内科学は臨床医学の王”である.しかし“内科医は臨床医の王”ではない.内科医は小児疾患についての理解が十分でないなら,夢々“診断”をしようなどと思ってはならない.疾患自体は超音波検査がよい適応となるものであっても,内科医が超音波検査を行う場合は適応とならないということもありうるのである.

肝疾患—び漫性

著者: 坂口正剛 ,   戸原恵二 ,   岡芳彦

ページ範囲:P.326 - P.330

 超音波断層法は肝疾患の診断,中でも腫瘍などの限局性肝疾患の検出や黄疸の鑑別診断において必須のものとなった.さらに,び漫性肝疾患の診断においてはその価値はやや劣るものの,本法のみで確実な診断が可能な疾患も存在する.そこで本稿では各種び漫性肝疾患の超音波診断について説明する.

肝疾患—限局性(悪性)

著者: 斎藤明子

ページ範囲:P.332 - P.335

 限局性疾患の診断は,肝臓の超音波検査において重要な位置を占めており,中でも日常臨床上最も問題となるのは肝細胞癌(以下肝癌)である.したがって,ここでは肝癌における診断の要点を,2cm以下の病変を中心に述べ,その他の悪性病変については鑑別診断の項で触れることとする.

肝疾患—限局性(良性)

著者: 小野良樹 ,   石綿宏敏 ,   松尾裕

ページ範囲:P.336 - P.340

 本稿では肝の良性限局性病変として肝細胞由来の肝細胞腺腫(liver cell adenoma;LCA),および局所性結節性過形成(focal nodular hyper-plasia;FNH)を挙げ,更に肝間葉形由来として肝血管腫(hemangioma)および肝過誤腫(hamar-toma)を挙げ,それぞれ超音波(以下US)所見を中心に解説する.

肝小腫瘤性病変の鑑別

著者: 江原正明 ,   大藤正雄

ページ範囲:P.342 - P.347

 超音波検査は,操作が非常に簡便かつ容易である上に小病変の検出に優れているため肝,胆,膵の悪性腫瘍の早期診断に大きな役割を果たしている.肝細胞癌は90%以上が肝硬変を併存するため,肝硬変を主とした慢性肝疾患患者を定期的に検査することにより,径2cm以下の肝細胞癌が続々と診断されている.しかし,その反面,多くの類似病変も同時に検出されるため,確定診断がしばしば困難となる.ここでは,超音波による肝小腫瘤性病変の鑑別診断,診断の限界,次に行うべき検査法などを含め日常臨床でよく遭遇する肝小腫瘤性病変の診断について述べる.

門脈・脾疾患

著者: 松谷正一 ,   大藤正雄 ,   大村邦夫

ページ範囲:P.348 - P.351

 門脈・脾の超音波所見は腹部超音波検査における基本所見の一つである.とくに超音波検査は門脈血行異常の診断,脾腫の判定ならびに肝胆膵腫瘍の門脈浸潤の把握に有用である.最近では超音波ドプラ法の併用により,さらに超音波診断能の向上が図られている.本稿では,門脈・脾の基本的超音波所見ならびに代表的異常所見につき概説する.

胆嚢疾患—胆石

著者: 林仁守 ,   太田恵輔 ,   小笠原鉄郎 ,   金野裕司 ,   佐々木雅佳 ,   當麻忠 ,   山下安夫 ,   松代隆

ページ範囲:P.352 - P.357

 エコー法は,診断能力,簡便性,無侵襲性,安全性などより胆嚢結石の診断に最も適した検査方法である1).しかし,少数例ではあるが診断困難な症例もあり,診断に限界があることも否めない.ここでは自験例を中心に,エコー法による診断のポイント,限界および鑑別診断について述べる.

胆嚢疾患—良性病変

著者: 松澤一彦 ,   竹原靖明

ページ範囲:P.358 - P.363

●急性胆嚢炎
 1)判読のポイント
 胆嚢腫大が認められる.胆嚢の大きさには個人差がありこれのみにては判定できないが,壁の伸展が大切な所見になる.頸部には閉塞の原因となった病変(多くは嵌頓結石のストロングエコー)が描出される.胆嚢壁は均等な肥厚を呈し,その中央に帯状の低エコー(sonolucent layer)が現れることもある.内腔にはdebrisが現れる(図1).

胆嚢疾患—癌とその鑑別

著者: 渡辺五朗

ページ範囲:P.364 - P.367

 胆嚢の超音波検査は腹部超音波の入門となる領域で,胆石症は超音波でほぼすべてが語られるまでに至った.しかし同時に精査としての意義もあり,現在では胆石云々よりも,癌を見逃さないことへと重点が移りつつある.実際に人間ドックで5~8%にポリープが発見されるに及んで,癌との鑑別が日常的な課題となってきた.さらに早期胆嚢癌においては,そのほとんどが無症状で,自験例でも約1/3に結石を合併するのみであり,胆嚢の超音波検査は胆嚢内腔を観察するだけでなく,胆嚢壁をいかに評価するかの点に注意を向けるべきである時代になったと言えよう.
 胆嚢癌はその病型(肉眼型),stageによって多彩な画像を呈するので,本編ではまず筆者らの画像分類を呈示し,各画像を示して各々の鑑別疾患についても言及,解説を加える.

胆管疾患

著者: 福井洋 ,   鶴長泰隆 ,   塩竈利昭 ,   水谷明正 ,   中村清人 ,   柴原護 ,   川添薫

ページ範囲:P.368 - P.373

●検査の手順
 1)装置
 電子走査型で,周波数3.5または5MHzの探触子を用いる.肝外胆管の描出には消化管ガスを圧排しやすいコンベックス型探触子が適している.

膵疾患—慢性膵炎

著者: 秋本伸 ,   ,   及川悦雄

ページ範囲:P.374 - P.380

●検査の手順
 慢性膵炎に特別の検査手順があるわけではないのはいうまでもない.一連の腹部超音波検査手順の中で行われる膵臓のスキャンニングと理解すればよい.必ずしも決まった方法があるわけではなく,検者によって異なっていても当然である.手慣れていること,確実であること,が満足されれば,それでよいといえる.以下に筆者らの膵臓スキャンニングの手順を簡単に説明する(図1).なお被検者の基本体位は坐位としている.また臓器の検査順序は,腎・脾・肝・胆・膵・下腹部としている.
 ①まず心窩部正中矢状断で確実に膵体部を捉える(図2a).
 ②そのままプローブを向かって右(被検者の左)に傾けて,膵頸部から頭部,鉤部を縦方向で斜めにそぐように描出する(図2b).
 ③正中矢状断に戻し,逆に,向かって左にプローブを傾けて,膵体部から尾部をそぐようにのぞき込むように描出する(図2c).
 ④①〜③で捉えた膵臓の位置を目安に,プローブを逆時計方向に回して,膵臓の長軸に沿った斜め横断像を得る(図2d).
 ⑤左肋間から脾臓を描出し,脾門部近傍の膵尾部を確認する.
 この手順で膵臓各所を2断面以上で描出したことになる.まれに坐位よりも仰臥位でよくみえることもあるが,大半は坐位あるいは半坐位で検査を完了する.

膵疾患—急性膵炎,腫瘤形成型膵炎

著者: 税所宏光 ,   山口武人

ページ範囲:P.382 - P.387

 急性膵炎は,現在,一般にマルセイユ分類(1984年)に基づいて,臨床的および形態学的に慢性膵炎と区別されるが,慢性膵炎の急性発症は急性膵炎と臨床的に鑑別困難なことが多い.また,実際の対策は急性膵炎に準じることから,厚生省特定疾患難治性膵炎疾患調査研究班により提唱される臨床診断基準1)(1990年)においては,急性膵炎に含められている.ここでも,急性膵炎を臨床的な病態診断として扱い,慢性膵炎の急性発症を含めて述べることとする.

膵疾患—癌

著者: 跡見裕

ページ範囲:P.388 - P.392

●検査の手順
 膵の描出には膵周囲臓器,とくに血管系との解剖学的位置関係を十分に理解しておくことが重要である.
 走査は仰臥位で十分な深吸気時に心窩部で始める.心窩部横走査はやや斜めに左上がりとなる.横走査に加えて,縦走査により膵の全体像を得るようにする.膵頭部の腹側面に胃十二指腸動脈,背側には総胆管の末梢が描出される.膵鉤部は上腸間膜動脈よりさらに脾側にまで達することもあり,完全な描出には下大静脈上での縦走査や,上腸間膜動静脈や左腎静脈を指標とした横走査を丹念に行う(図1).

膵疾患—嚢胞性疾患

著者: 堀口祐爾 ,   高川寛子 ,   伊藤圓

ページ範囲:P.394 - P.400

 膵嚢胞性疾患の考え方は,超音波やCTなどの画像診断法の進歩とともに変遷しつつある.成因から分類してみると表1のごとくであるが,最近では急性膵炎や慢性膵炎に合併した炎症性嚢胞もさることながら,嚢胞腺腫・癌などの腫瘍性嚢胞がとくに注目されている1).ここでは誌面の都合上,炎症性嚢胞と腫瘍性嚢胞を中心に,超音波診断の実際について述べることにする.

消化管疾患—上部

著者: 松江寛人

ページ範囲:P.401 - P.405

●検査の手順とポイント
 ①装置 一般の腹部用の装置を用いて体表から経皮的に行う方法と,内視鏡と超音波を組み合わせた装置を用いて胃内腔から経内視鏡的に行う方法の2通りがあるが,後者は装置が特殊で,かつ検査が困難なために一般にあまり行われていない.
 上部消化管の中でも,体表走査による検査の対象となるのは,普通胃だけで,食道や十二指腸は検査の対象とはならない.食道に関しては内視鏡超音波によって検査が行われている.内視鏡超音波については別の項で述べられているので,ここでは一般の腹部用超音波装置を用いた体表走査方式について述べ,内視鏡超音波については簡単に触れることにする.

消化管疾患—下部

著者: 朝井均 ,   野上浩實

ページ範囲:P.406 - P.410

 下部消化管病変の臨床診断は,上部消化管病変のそれに比較して従来からそれほど容易ではない.X線検査や内視鏡検査においてでもそうであるが,超音波(US)検査に関しては検査に不利な条件となる消化管ガスの存在のため,さらに困難であるといわざるを得ない.
 しかしながら,最近の高性能を有する電子スキャン装置の出現によりその様相は一変してきている.すなわち,体表からのアプローチでも大腸癌や急性虫垂炎,腸閉塞などの急性腹症をはじめとする下部消化管病変に対してもUSが効果的に使用できることが判明してきており,first screen-ing的にも大いに利用されてきている.また,超音波内視鏡(EUS)による体腔内走査のアプローチでも腫瘍の良悪性の鑑別診断,悪性腫瘍の深達度診断などに必須の検査法として大いに活用されているのが実情である1〜5)

腎疾患—非腫瘤性疾患

著者: 中村みちる ,   伊東紘一

ページ範囲:P.411 - P.415

●検査の手順
 多くの症例は血尿,蛋白尿で,内科・小児科・泌尿器科から腎エコー検査を依頼される.しかし,消化器系の愁訴で来院し腹部検査をうけ腎病変を発見される症例も少なからずあり,腹部におけるルーチンのエコー検査でも消化器系ばかりでなく泌尿器系もみるべきである.
 肝脾を検査したままの体位(仰臥位または坐位)で探触子を左右側腹部にあてると,右腎は肝右葉に接し,左腎は脾に接して下方に描出される.通常は被検者の体位を変えなくても両腎を観察できる.左腎は消化管ガスが邪魔になり,よくみえないことがあるので,そのときは探触子を左中腋窩線付近肋間まで後上方に移動させてみるとよい.肋骨や消化管ガスで全貌を描出できないときは,深い吸気により腎を下方に移動させて全体の観察を試みる.被検者を腹臥位にし,背側より探触子をあてて観察することもあるが,このとき両腎は脊柱をはさんで長軸がハの字に描出される.

腎疾患—限局性疾患

著者: 岡薫

ページ範囲:P.416 - P.421

 腎の限局性疾患には腫瘍のみでなく,炎症性疾患をはじめ多種多彩なものがみられるが,本稿では頻度も高く,最も重要な疾患である充実性腫瘤性病変,とくに腎癌・腎盂腫瘍を中心に述べる.

副腎・後腹膜疾患

著者: 棚橋善克

ページ範囲:P.422 - P.426

 超音波診断装置の進歩とともに,以前は難しいといわれていた副腎腫瘍の描出も,比較的容易に行えるようになってきた.本稿では,副腎の超音波による検索について解説する.

膀胱疾患

著者: 中村昌平

ページ範囲:P.428 - P.432

 血尿などで膀胱の異常が疑われるとき,または腹部スクリーニング検査のひとつとしての膀胱検査について,泌尿器科以外の医師が検査を行うさいのポイントについて述べる.

前立腺疾患(精嚢腺を含む)

著者: 沼田功

ページ範囲:P.433 - P.439

●検査の手順
 1)走査方法
 前立腺の超音波診断には,体外走査(経腹壁的走査,経会陰的走査)と,前立腺に接している直腸や尿道へ探触子を挿入して行う体腔内走査(経直腸的走査,経尿道的走査)がある(図1).
 経腹壁的走査の解像度は高くなく,前立腺内部まで詳しく描出できないが,簡便で無侵襲な走査方法である.経直腸的走査は前立腺と接している直腸より走査するため,5〜7.5 MHzの探触子を使用でき,恥骨の影響を受けないで前立腺全体を細部まで描出できる.しかし,専用の装置や探触子を必要とする.

腹部大動脈瘤

著者: 白川元昭

ページ範囲:P.441 - P.447

●検査の手順
 1)装置
 通常の腹部大動脈瘤の診断には,3.5MHzの標準的な腹部用のトランスデューサーによるBモード・スキャンを用いる.カラー・ドップラー法やパルス・ドップラー法との併用が可能な場合,血流に関する情報が得られるため,?状の仮性動脈瘤における破裂孔の同定(図1),解離性動脈瘤における真腔と偽腔の鑑別などにおいて有用なことが多い.

その他の領域のエコー法

頸部疾患—顎下腺・耳下腺・リンパ節など

著者: 谷口信行 ,   伊東紘一

ページ範囲:P.450 - P.454

●検査の手順
 1)装置
 体表臓器の診断に用いられる超音波装置は,電子式・機械式走査の両者とも使用されているが,探触子の周波数は通常7.5〜10MHzと高周波数のものを用いる.最近では,手持ちの探触子が,リアルタイムで断面の設定が自由,分解能もよいなどの理由で多く使われるようになっている.

甲状腺疾患—び漫性

著者: 平田経雄 ,   山崎幸司

ページ範囲:P.456 - P.459

 甲状腺疾患の診断過程には,自覚または他覚的に甲状腺腫が発見されて検査が行われる場合と,自覚症状や理学的あるいは一般検査所見などから甲状腺機能の異常が疑われて検査を進める場合がある.
 エコー検査は,腫瘤の音響学的性状を知る甲状腺結節の検査法として不可欠となったが,びまん性甲状腺疾患に対してはやや低い評価と限定された応用にとどまっていた.

甲状腺疾患—結節性

著者: 横沢保

ページ範囲:P.460 - P.464

●検査の手順—機種はどれを選ぶか?
 結節性甲状腺腫の診断に現在最も普及しているのはリアルタイム断層装置で,術者が自分の見たい部位をすぐ診て診断ができる.関心領域の深さから7.5〜10MHzの周波数の機種がよい.これからエコーを始めようとしている人は現在の使用探触子の最もよい画像の出る深さと,自分の関心領域の深さを一致させるように意識するだけでもかなり画像が改善する.

副甲状腺疾患

著者: 貴田岡正史

ページ範囲:P.466 - P.469

●検査の手順
 副甲状腺は甲状腺の後面に接するように,通常左右両側に上下の2腺計4腺が存在する.時に5腺,あるいは6腺存在することもある.したがって,副甲状腺の超音波断層検査を施行するためには,甲状腺の場合と同様に,仰臥位で頸部を十分伸展した体位で画像を得る必要がある.このためには,肩部に枕などを入れ頭部を後屈位としてから探触子を前頸部にあて超音波断層検査を実施するとよい.
 副甲状腺の超音波断層法で十分な検査の精度を期待するには,7.5MHz以上の高周波の探触子を用いて実時間,もしくはそれに近いかたちで検査可能な超音波断層装置を使用する必要がある.これは,比較的浅在部に存在する小病変を,効率よく検索するために必須の条件と考えられる.

乳腺疾患—良性

著者: 辻本文雄

ページ範囲:P.470 - P.475

●超音波検査の役割
 表在性臓器である乳腺でまず第1に行われる診断法は,問診とこれに続く視・触診である(表1).例えば,問診で月経の1週間ほど前に乳房痛があり,月経とともに痛みが消失するという病歴をとるだけで乳腺症の診断がほぼついてしまう.また,家族歴に乳癌があり,授乳歴のない高齢独身で,高蛋白高脂肪食を摂る女性に乳癌の発生頻度が高いことも知っておく必要がある.視・触診も重要であり,習熟した検者が行えば,癌かそうでないものという分け方での診断の正診率は70〜80%程度にはなりうる.
 超音波検査は乳腺疾患の正診率をさらに90%以上に高めるためにX線乳房撮影とともに施行される(表2).組織診断も多くの場合可能である.応用として,超音波ガイド下での穿刺生検,あるいはインジゴカルミンなどの染色液の乳管あるいは腫瘤内注入後摘出生検などがある1)

乳腺疾患—悪性

著者: 久保田光博

ページ範囲:P.476 - P.481

●検査の手順
 1)乳腺用超音波診断装置
 乳腺用(体表用)超音波診断装置には,水浸機械走査型とリアルタイム走査型の2種に大別される.
 探触子の周波数は高いほうが近距離解像能がよく,現行装置では中心周波数7.5および10MHzのものが用いられる.

胸部呼吸器疾患

著者: 中田尚志 ,   名取博 ,   五十嵐知文 ,   大内博文 ,   笹岡彰一 ,   森雅樹 ,   鈴木明

ページ範囲:P.482 - P.489

 呼吸器領域における超音波診断は,骨性胸郭や肺の含気が障害となることに加え,高度に完成され,豊富な情報を得ることのできる胸部X線診断が普及しているために,その導入が他の領域に比べ遅れていた.しかし,リアルタイムで画質のよい装置が普及しはじめた1970年代後半には,呼吸性,心原性に移動する胸郭内病変を,狭いacous-tic windowからでも容易にとらえられるようになった1).また経食道超音波内視鏡の開発により観察可能な範囲も広がり,近年では様々な呼吸器疾患に対して超音波診断法が適応され,系統的な検討が行われている1,2)

基本情報

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出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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59巻5号(2022年4月発行)

特集 症例から学ぶ—電解質と体液量管理のベストアンサー

59巻4号(2022年4月発行)

増刊号 フィジカル大全

59巻3号(2022年3月発行)

特集 成人が必要とするワクチン—生涯を通した予防接種の重要性

59巻2号(2022年2月発行)

特集 意外と知らない? 外用薬・自己注射薬—外来診療での適“剤”適所

59巻1号(2022年1月発行)

特集 クリニカルクエスチョンで学ぶ糖尿病治療薬—糖尿病治療の新しい潮流

56巻13号(2019年12月発行)

特集 プライマリ・ケアのための—ポリファーマシー「超」整理法

56巻12号(2019年11月発行)

特集 内科医が押さえておくべき—検査の考えかたと落とし穴

56巻11号(2019年10月発行)

特集 不明熱を不明にしないために—実践から考えるケーススタディ

56巻10号(2019年9月発行)

特集 脱・「とりあえずCT」!—スマートな腹痛診療

56巻9号(2019年8月発行)

特集 みんなが知っておきたい透析診療—透析のキホンと患者の診かた

56巻8号(2019年7月発行)

特集 一歩踏み込んだ—内科エマージェンシーのトリセツ

56巻7号(2019年6月発行)

特集 抗菌薬をアップデートせよ!—耐性菌に立ち向かう! 適正化の手法から新薬の使い分けまで

56巻6号(2019年5月発行)

特集 糖尿病診療の“Q”—現場の疑問に答えます

56巻5号(2019年4月発行)

特集 しまった!日常診療のリアルから学ぶ—エラー症例問題集

56巻4号(2019年4月発行)

増刊号 一人でも慌てない!—「こんなときどうする?」の処方箋85

56巻3号(2019年3月発行)

特集 TPOで読み解く心電図

56巻2号(2019年2月発行)

特集 抗血栓療法のジレンマ—予防すべきは血栓か,出血か?

56巻1号(2019年1月発行)

特集 枠組みとケースから考える—消化器薬の選び方・使い方

55巻13号(2018年12月発行)

特集 これからの心不全診療への最新アプローチ—予防からチーム医療・先進医療まで

55巻12号(2018年11月発行)

特集 内科医のための「ちょいあて」エコー—POCUSのススメ

55巻11号(2018年10月発行)

特集 どんとこい! 内科医が支える—エンド・オブ・ライフ

55巻10号(2018年9月発行)

特集 クリティカル・ケアを極める—一歩進んだ総合内科医を目指して

55巻9号(2018年8月発行)

特集 もっともっとフィジカル!—黒帯級の技とパール

55巻8号(2018年7月発行)

特集 血液疾患を見逃さないために—プライマリ・ケアと専門医コンサルトのタイミング

55巻7号(2018年6月発行)

特集 ここさえ分かれば—輸液・水・電解質

55巻6号(2018年5月発行)

特集 プロブレムから学ぶ感染症診療—すぐに役立つ厳選シナリオ30選

55巻5号(2018年4月発行)

特集 明日のために解くべし!—総合内科問題集

55巻4号(2018年4月発行)

増刊号 プライマリ・ケアでおさえておきたい—重要薬・頻用薬

55巻3号(2018年3月発行)

特集 —クリニカル・クエスチョンで学ぶ—循環器薬の使い方

55巻2号(2018年2月発行)

特集 —デキる内科医の—神経内科コンサルト

55巻1号(2018年1月発行)

特集 気管支喘息・COPD診療に強くなる

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