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文献詳細

雑誌文献

medicina28巻11号

1991年10月発行

文献概要

増刊号 わかりやすいエコー法の臨床 エコー法の基礎

超音波ドプラの原理と装置

著者: 佐々木明1

所属機関: 1(株)日立メディコ・超音波設計部

ページ範囲:P.32 - P.36

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●ドプラの原理
 ドプラ効果とは,19世紀のオーストリア人Christian Johann Dopplerが発見した,「移動している物体から発生する音を聞いたり,静止している物体の音を移動しながら聞くと,もとの音源の周波数とは異なった周波数の音を聞くことになる」という現象で,発見者の名をとってドプラ効果と呼んでいる.身近な例では,「救急車のサイレン音は,近づいて来るときは,高くなり,遠のくときは低くなって聞こえる」という現象として捉えられる.超音波ドプラも同じ原理で,ある一定周波数の超音波を血管に照射すると,血液から反射する信号の周波数が変化する.この変化をドプラ偏移(Doppler shift)と呼んでいる.
(注)血液からの反射は,主に赤血球からの反射である.赤血球の大きさは10μm程度で超音波の波長(たとえば,2.5MHzの波長は血液での音速を1,560m/sとすると,625μm)に比べ,十分短い.このような反射はガウス分布に基づいた不規則性のノイズ信号として考えることができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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