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文献詳細

雑誌文献

medicina28巻11号

1991年10月発行

文献概要

増刊号 わかりやすいエコー法の臨床 心エコー法 撮り方と読み方の基本

経胸壁心エコー法—断層法

著者: 別府慎太郎1

所属機関: 1国立循環器病センター研究所・循環動態機能部

ページ範囲:P.82 - P.87

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●断層心エコー図の撮り方
 1.断層面の設定
 1)任意であるが目的がある
 断層心エコー図における断面の設定は任意である.これは,どのように記録しても良いということと同義ではない.何を観察したいか,その目的により断面は異なる.たとえば四腔像は種々のアプローチの部位から記録できるが,中隔欠損や房室弁付着部の検討には心基部に近い部位からのアプローチが良く,左室壁運動を見るには心尖からのアプローチが適している.
 2)断面像から全体感を
 断層心エコー図検査で大切なことは可能な限り広い範囲を観察し,心臓およびその周辺の地図をつくりあげることである.たとえば,心臓弁膜では,弁膜を構成するのは弁輪,弁尖,腱索,乳頭筋で,それらの前後左右の空間的広がりは予想以上に大きい(図1).それゆえ一方向の断層像だけでは弁を構成する組織全体をチェックできない.正確な診断をし,見落としがないようにするには,心エコー図により弁膜各部位に番地付けをし,その地図のどこにどのような病変が存在するかを書き加えてゆく操作が必要となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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