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今月の主題 よくわかる内分泌疾患 隠れた内分泌疾患を見つけるコツ
多毛,脱毛
著者: 土師正文1 名和田新1
所属機関: 1九州大学医学部・第3内科
ページ範囲:P.1872 - P.1874
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1)体毛の種類と分布は遺伝的素因とホルモンの支配を受け,①副腎,卵巣由来のandrogenに支配される両性性毛(腋毛,陰毛下半分),②睾丸性androgenに支配される男子性毛(ひげ,胸毛,陰毛上半分,前頭部,頭頂部),③androgenの影響を受けない非性毛(眉毛など)に分類される.
2)女性,小児にandrogen過剰分泌による男子性毛が生じる多毛症(hirsutism)では,月経異常,痤瘡など男性化症状を伴うことが多く,副腎性(先天性副腎過形成,Cushing症候群など),卵巣性(多嚢胞卵巣症候群,テストステロン産生腫瘍)および原因の特定できない特発性多毛症に分けられる.非性毛の増加を示す疾患には,末端肥大症,神経性食思不振症などがあげられる.
3)性毛の脱毛は,性腺,副腎機能低下を示す下垂体前葉機能低下症,Addison病(とくに女性),性腺機能低下症でみられ,非性毛の脱毛は,甲状腺機能亢進症(頭髪),甲状腺機能低下症(頭髪,眉毛外半分)で認められる.
1)体毛の種類と分布は遺伝的素因とホルモンの支配を受け,①副腎,卵巣由来のandrogenに支配される両性性毛(腋毛,陰毛下半分),②睾丸性androgenに支配される男子性毛(ひげ,胸毛,陰毛上半分,前頭部,頭頂部),③androgenの影響を受けない非性毛(眉毛など)に分類される.
2)女性,小児にandrogen過剰分泌による男子性毛が生じる多毛症(hirsutism)では,月経異常,痤瘡など男性化症状を伴うことが多く,副腎性(先天性副腎過形成,Cushing症候群など),卵巣性(多嚢胞卵巣症候群,テストステロン産生腫瘍)および原因の特定できない特発性多毛症に分けられる.非性毛の増加を示す疾患には,末端肥大症,神経性食思不振症などがあげられる.
3)性毛の脱毛は,性腺,副腎機能低下を示す下垂体前葉機能低下症,Addison病(とくに女性),性腺機能低下症でみられ,非性毛の脱毛は,甲状腺機能亢進症(頭髪),甲状腺機能低下症(頭髪,眉毛外半分)で認められる.
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