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高血圧はなぜ治療するのですか.
著者: 上田一雄1
所属機関: 1九州大学・医療技術短期大学部
ページ範囲:P.2038 - P.2038
文献購入ページに移動A 高血圧を保持する多くの人達は自覚症状を欠き,元気に日常生活を送っている.しかし世界の先進諸国における疫学的研究では高血圧が循環器疾患の最大の危険因子であり,また高血圧を管理することにより,特に脳血管障害を予防できる可能性が示されている.高血圧の治療は,高血圧例の予後を改善するのみならず,循環器疾患を予防し,健常な老年期を過ごし得る点においても意義が大きい.高血圧の治療には非薬物療法,薬物療法があり,降圧薬もいくつかの異なる作用のものが開発されているが,治療法の選択基準は一概にはいえない.高血圧の人を注意深く観察し,血圧レベルとその変動,標的臓器障害の程度,合併する他の危険因子についての情報を把握する.その後治療法を選択するが,長期に密着して副作用その他の観察を行う.降圧薬を使用する場合でも,非薬物療法は重要で,その他の危険因子を改善し,降圧薬の効果を高めると期待される.
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