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文献詳細

雑誌文献

medicina28巻13号

1991年12月発行

文献概要

Q&A

降圧治療に精神安定剤を用いてよいでしょうか.

著者: 藤井潤1

所属機関: 1朝日生命成人病研究所

ページ範囲:P.2061 - P.2061

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A 不安や葛藤により高血圧が発症するという心身医学者の一派からみると,精神安定剤は高血圧の予防,治療に積極的に投与すべき薬剤かもしれない.しかし,精神安定剤の降圧作用は偽薬なみであり,知的活動に対するマイナス面もないとはいえない.したがって,高血圧患者に漫然と投与すべき薬剤ではない.
 適応となるのは,不安やいらいら感の強い高血圧患者,興奮しやすい高血圧患者などである.精神安定剤には筋弛緩作用があるので頭痛,肩こり,腰痛などの自覚症に有効のこともある.軽微な症状でも,個々の患者の自覚症に何の手も打たないのはよい臨床医とはいえない.本来の適応とはいえない不定愁訴に対し,苦しまぎれに少量の精神安定剤を投与することもある.かかる場合は,1〜2週で効果がなければ連用すべきではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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