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文献詳細

雑誌文献

medicina28巻13号

1991年12月発行

文献概要

Q&A

高血圧は男性に多く女性に少ないのはなぜですか.

著者: 安東克之1

所属機関: 1東京大学医学部・第4内科

ページ範囲:P.2129 - P.2129

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A 閉経前の比較的若年の女性では原疾患を有しない本態性高血圧は男性に比較して少ない.また,女性の高血圧患者では心血管合併症の頻度も少ないことが報告されている.古くは,女性では毎月の生理出血により体液量が低めに維持されているために高血圧が起こりにくいという考え方もあった.少なくとも高血圧合併症に関しては卵巣摘除をしても閉経後と同様に頻度が増えるが,卵巣を残して子宮のみ摘出しても頻度は変わらないことから,エストロジェンの関与が示唆されている.実際,エストロジェンが血管壁に直接作用してコラーゲンの合成を抑制することが報告されている.最近では遺伝子の解析が進み,自然発症高血圧ラットのYクロモゾームに高血圧に関係する部位が存在することが示唆されている.また,同じ遺伝子でも性によって発現様式が異なる場合があり,高血圧に関与する遺伝子で男性では常染色体優性,女性では常染色体劣性を示す部位があるという報告もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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