文献詳細
文献概要
今月の主題 アレルギー疾患診療の実際 アレルギー疾患の鑑別診断
アレルギー性鼻炎と他の鼻疾患
著者: 奥田稔1
所属機関: 1日本医科大学・耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.250 - P.251
文献購入ページに移動 発作性再発性のくしゃみ,水性鼻漏,鼻閉の特徴ある3主徴をもつ鼻粘膜のI型アレルギー疾患を鼻アレルギーまたはアレルギー性鼻炎と称する.症状に季節性がある時の抗原は多くは花粉で,花粉症という.ハウスダストが原因抗原の時はハウスダスト鼻アレルギー(アレルギー性鼻炎)という.症状が年間にわたる時は通年性鼻アレルギーという.いずれもアレルギーという病因を示す病名がついているのは喘息と異なる.この場合のアレルギーはI型アレルギー(アトピー性アレルギー)を指す.他の型のアレルギーも鼻粘膜に起こるが,症状,病態はまったく異なっているので,これに含めない.また病変は鼻腔のみでなく約1/3の症例に副鼻腔にも及んでいるが,とくに鼻副鼻腔アレルギーという言葉は使われていない.患者は過去または現在にしばしば喘息,アトピー性皮膚炎,眼アレルギーを合併していたり,潜在性に合併しているので気道アレルギー,アレルギー性皮膚気道症候群などの言葉もある.
上記の特徴ある症状をもつ疾患は神経性感冒,血管運動性鼻炎などと称せられていたが,検査法の進歩につれ,その90%以上はアレルギーの診断が可能になった.しかし少数ながら,アレルギーの証明ができず,血管運動性鼻炎といっている患者がいる.普通,感冒(かぜ症候群)と誤診されている患者は花粉症で時にみられる.他の検査所見は非アレルギーであるが,鼻汁好酸球増多のみがみられる患者が少数いる.好酸球増多性鼻炎と称している.
上記の特徴ある症状をもつ疾患は神経性感冒,血管運動性鼻炎などと称せられていたが,検査法の進歩につれ,その90%以上はアレルギーの診断が可能になった.しかし少数ながら,アレルギーの証明ができず,血管運動性鼻炎といっている患者がいる.普通,感冒(かぜ症候群)と誤診されている患者は花粉症で時にみられる.他の検査所見は非アレルギーであるが,鼻汁好酸球増多のみがみられる患者が少数いる.好酸球増多性鼻炎と称している.
掲載誌情報