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文献詳細

雑誌文献

medicina28巻4号

1991年04月発行

文献概要

Q&A

Q1 腹痛の対症療法をしてはいけない場合を教えてください

著者: 大貫寿衛1

所属機関: 1東京都済生会渋谷診療所

ページ範囲:P.573 - P.573

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A 鎮痛剤・鎮痙剤ともに腸管の麻痺を増悪させますから,麻痺性イレウスのときには対症療法(鎮痛)は好ましくないと考えられます.また重症の潰瘍性大腸炎でも不用意な投薬は中毒性巨大結腸を起こすことがあり,注意深く観察しながら対症療法を行うべきです.
 急性腹症は一般に「対症療法より,早く外科に送るように」とされており,鎮痛にこだわりすぎて外科に送るのが遅れてはいけませんし,また昔から言われている「鎮痛剤を投与すると筋性防御が判りにくくなる」ということもあります.しかし例えば超音波検査が可能な場合は,一旦痛みを軽減させたほうがプローブで腹部を圧迫したときに苦痛が少なく,「検査を順調に行うことができる」のですから,対症療法は絶対によくないなどと言わずに柔軟な考え方でその時々の状況を判断して下さい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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