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文献詳細

雑誌文献

medicina28巻4号

1991年04月発行

文献概要

Q&A

Q4 アカラシアや食道痙攣などの薬物療法はどの程度効果的ですか?

著者: 本郷道夫1

所属機関: 1東北大学・第3内科

ページ範囲:P.592 - P.592

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A アカラシアに対してニフェジピン(アダラート®)10mgまたは20mgを食前10〜30分前に舌下投与(ソフトカプセルの中の油状の中身を絞り出して使用)するのが一般的です.嚥下障害,夜間咳嗽の改善および体重増加が認められます.しかし,バリウムやRIで標識した水の通過状態を15分間にわたって観察しても,通過障害の改善の程度は軽度にとどまります.これは,食道体部の平滑筋の緊張が低下していることが関係しているのかも知れません.症状の改善は,15分のスケールで観察できない通過障害の改善のためだと考えます.根治的に作用する薬剤ではないので長期使用が必要となりますが,症状の進行も考えられるので,強制拡張や手術までの間の治療として,あるいは高齢者への治療として行うべきでしょう.
 食道痙攣は食道の不規則な収縮によるものであり,けっして強い収縮とは限りません.したがって,Ca拮抗剤の効果は疑問があります.薬物による治療には限界があると考えます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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