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文献詳細

雑誌文献

medicina28巻4号

1991年04月発行

文献概要

Q&A

Q6 抗潰瘍薬を何種類か同時に用いると,その分効き目がよくなりますか?

著者: 岡崎幸紀1

所属機関: 1山口県厚生連周東総合病院

ページ範囲:P.599 - P.599

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A 潰瘍そのものを治すためには,H2-blockerに代表されるように,単剤で十分に可能である.しかし,抗潰瘍剤の併用,とくにH2-blockerと防御因子増強剤の併用は,すでに臨床試験でも検討されており,とくに崎田らのデータでは併用投与が有意に治癒率の高いことを示している.3剤以上の併用療法については臨床試験での検討はなく,筆者らの経験では2剤併用との差異は認めていない.防御因子増強剤には各種の抗潰瘍作用があり,理想的には異なる作用のあるすべての薬剤の併用が望ましいが,非現実的である.潰瘍を有する胃の病態と背景因子を検討し,効果的な1〜2の防御因子増強剤を酸分泌抑制剤に併用すべきである.この考え方は,再発予防のための維持療法に際しても同様であり,とくに酸分泌抑制剤単独投与よりも防御因子増強剤の併用が明らかに再発を抑制していることは,臨床試験でも明らかにされている.ただし,維持療法についても3剤以上の併用については検討されていないし,長期投与となるため薬剤は少ないほどよいと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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