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文献詳細

雑誌文献

medicina28巻4号

1991年04月発行

文献概要

Q&A

Q11 潰瘍性大腸炎とクローン病の薬物療法の違いについて教えてください

著者: 朝倉均1

所属機関: 1新潟大学・第3内科

ページ範囲:P.635 - P.635

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A 潰瘍性大腸炎とクローン病に,サラゾピリン®,ステロイド,免疫抑制剤,メトロニダゾールが同様に用いられますが,これらは炎症の場の単球,リンパ球,血管内皮から産生されるサイトカイン,PG,ロイコトリエン,PAFなどの炎症惹起物質の産生を抑え,腸壁内微小循環異常を是正します.その意味から考えると,薬物療法に違いはありません.潰瘍性大腸炎の炎症は慢性の中にも好中球浸潤という急性炎症も加味されるので,多めの薬物で急性期を乗り切ることが大事です.一方,クローン病は単球マクロファージとCD4リンパ球の活性化が消化管内抗原の持続的刺激で起こり,びらんのみならず,潰瘍,炎症性ポリープおよび線維化が起こるので,消化管の安静を長期にわたって保っため成分栄養か薬物による非活性化が必要です.このため,ステロイド剤や免疫抑制剤の少し多めの長期投与が必要となってきます.また,非活動期の薬物療法が長期にみて重要となってきます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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