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文献詳細

雑誌文献

medicina28巻4号

1991年04月発行

文献概要

Q&A

Q14 感染性腸炎で抗生物質が適応となる場合,ならない場合を教えてください

著者: 森下鉄夫12

所属機関: 1静岡赤十字病院・第1内科 2静岡赤十字病院・消化器科

ページ範囲:P.653 - P.653

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A 抗生物質は,一部を除き下痢などの症状・期間を軽減・短縮するために投与される.したがって,重症例や長期間にわたる感染性腸炎では,いずれの腸炎に対しても抗生物質が投与される.腸チフス,パラチフス,細菌れ生赤痢,コレラ,Clostridiumによる偽膜性腸炎,アメーバ赤痢,ジアルジア症には化学療法が必要である.偽膜性腸炎とジアルジア症を除きこれらは法定伝染病であり,完全除菌が社会復帰の条件となっているものもある.サルモネラ腸炎やキャンピロバクター腸炎,Staphylococcus aureus,Clostridium Peifringensなどの毒素型細菌性食中毒,Vibrio Parahemolyticusによる感染型細菌性食中毒・腸炎には,食品取り扱い者や保母さんを除いて,原則として抗生物質は投与されない.しかし,サルモネラ腸炎はときに腎不全を伴うため,キャンピロバクター腸炎では微量な菌による2次感染もときにみられ,妊婦では流産・死産,新生児髄膜炎の危険もあるので,抗生物質を使用することもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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