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文献詳細

雑誌文献

medicina28巻4号

1991年04月発行

文献概要

Q&A

Q17 慢性胆汁うっ滞で吸収が障害される栄養素とその補給法を教えてください

著者: 戸田剛太郎1

所属機関: 1東京大学・第1内科

ページ範囲:P.672 - P.672

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A 慢性肝内胆汁うっ滞では,腸管内の胆汁酸の欠乏のために脂肪および脂溶性ビタミンの吸収が障害されることがある.その結果,脂肪便,ビタミンA,D,E,Kの欠乏症が起きてくる.また,脂肪便はカルシウムの吸収障害をひき起こし,カルシウムの補給が必要になる.脂肪便については脂肪の摂取を減らすこと(40g/日以下)で対処する.必須脂肪酸はmedium-chain triglycerideの形で補給する.脂溶性ビタミンについては,ビタミンA,Dの場合,安易に補給すると,ビタミン過剰症をきたす恐れがあり,予防的投与については慎重でなくてはならない.補給は必ずしも非経口投与である必要はない.ビタミンEについては過剰による障害は少ないとされている.原発性胆汁性肝硬変ではビタミンE吸収障害が報告されているが,欠乏症の頻度は少ない.ビタミンKは,非経口投与によるもの以外利用されにくい.プロトロンビン時間延長のある場合に補給する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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