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Q&A
Q18 肝性腹水に対するアルブミンの適正な使用法を教えてください
著者: 松嶋喬1
所属機関: 1北海道大学・第3内科
ページ範囲:P.679 - P.679
文献購入ページに移動A 安静とNa制限および利尿剤の投与によっても,利尿効果を認めず,血清アルブミンが3.0g/dl未満の肝性腹水に対しては,アルブミン製剤の点滴静注を行う.アルブミンの補給により膠質浸透圧が上昇すると有効循環血漿量が増加し,レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系が抑制されて利尿効果が認められる.アルブミンの1日投与量は10〜15gとし,血清アルブミン3.0g/dl以上の値が維持されたら中止する.
また,難治性の腹水に対しては,フロセミドとアルブミン製剤とを併用すると,フロセミドの副作用が少なく,利尿効果が増強することがある.なお,高度の腹水に対する腹水穿刺による大量の排液は,有効循環血漿量の低下,血漿レニン,アルドステロンの上昇,低Na血症,尿素窒素,クレアチニンの上昇を認めるため禁忌であるが,アルブミン製剤を投与すると腹水穿刺による大量の排液に伴うこれらの異常が認められないことが報告されており,難治性腹水に対するアルブミン製剤の適応につき検討の余地が残されている.
また,難治性の腹水に対しては,フロセミドとアルブミン製剤とを併用すると,フロセミドの副作用が少なく,利尿効果が増強することがある.なお,高度の腹水に対する腹水穿刺による大量の排液は,有効循環血漿量の低下,血漿レニン,アルドステロンの上昇,低Na血症,尿素窒素,クレアチニンの上昇を認めるため禁忌であるが,アルブミン製剤を投与すると腹水穿刺による大量の排液に伴うこれらの異常が認められないことが報告されており,難治性腹水に対するアルブミン製剤の適応につき検討の余地が残されている.
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