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文献詳細

雑誌文献

medicina28巻4号

1991年04月発行

文献概要

Q&A

Q20 急性膵炎の重症度により薬物療法は異なりますか?

著者: 北川元二1

所属機関: 1名古屋大学・第2内科

ページ範囲:P.692 - P.692

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A 軽症の膵炎は2,3日の絶食と補液のみで軽快する比較的予後良好な疾患である.しかし,一旦重症化すると重篤な合併症をひき起こし,約30%の高い致命率をもっ疾患である.したがって病初期の重症化の判定が重要であるが,発症時あるいは入院時には重症化の予測,重篤な合併症の確認は困難であるので,血中膵酵素の上昇を伴う腹痛の患者に対しては,まず絶食にして補液を開始し,抗トリプシン剤の常用量を投与する.その後,臨床経過と画像診断により重症度の判定を行い,軽症と判定した場合には胃管の留置,H2ブロッカー,抗生剤の投与はあまり必要なく,中等症では症状に応じてこれらを行う.重症化の兆候がみられた場合にはICUに収容し,厳重な循環・呼吸管理の下に,抗トリプシン剤の大量療法,強力な抗生剤治療を行う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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