icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina28巻6号

1991年06月発行

文献概要

今月の主題 輸液療法の実際 電解質輸液の進め方

輸液療法のモニタリング

著者: 松川重明1

所属機関: 1稲城市立病院・内科

ページ範囲:P.960 - P.963

文献購入ページに移動
ポイント
1)輸液療法の施行に際しては,病歴,臨床症状,臨床検査所見を総合的に判断して,水・電解質異常の病態と程度を的確に診断し,異常に見合う輸液量と輸液速度の決定を行う必要がある(単一のパラメータのみで水・電解質異常を的確に判断しうるものはない).
2)尿中電解質の測定は,電解質異常の原因が腎外性か腎性かの鑑別に重要で,かつ腎外性異常の場合,体内の異常をよく反映する.
3)体重の変化は体液量の変化の最も鋭敏な指標であり,1kg/日以上の体重変化は体内総水分量の変化と考えられる.
4)輸液計画は患者の病状に応じて,一定の間隔で立案して,適宜その量と内容を検討する.この際バランスシートによる輸液管理は有用であるが,何日分も加算すると誤差が大きくなるので,常に現症との比較を行う.
5)輸液療法の施行中は輸液量と輸液速度の安全限界を念頭におき,輸液による医原性の異常を付加しないように注意する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?