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今月の主題 リンパ系疾患の臨床 リンパ系疾患の基礎
免疫応答とマクロファージ
著者: 坂戸信夫1 杉山治夫2 扇間昌規3
所属機関: 1大阪大学微生物病研究所・免疫化学部門 2大阪大学医学部・第3内科 3武庫川女子大学薬学部・衛生化学
ページ範囲:P.1141 - P.1145
文献購入ページに移動1)マクロファージ(Mφ)は,単独またはリンパ球と共働してほとんどの免疫反応で多彩な機能を発揮する.
2)免疫応答におけるMφの最も重要な機能は,抗原を処理(processingプロセシング)し,これをMHC分子と会合させ,抗原エピトープとしてT細胞抗原受容体(TCR)に提示することである.
3)近年,内因性(endogenous)抗原および外因性(exogenous)抗原提示におけるMHCクラスIおよびクラスII分子の使い分け機構が明らかにされつつある.ゴルジ体では,インバリアント鎖(invari-ant chain;i鎖)がクラスII分子と強く会合しているため,内因性抗原はクラスI分子とだけ結合することができる.したがって,内因性抗原はMHCクラスI拘束性CD8陽性T細胞を活性化する.一方,ファゴリソゾームではi鎖が消化を受け,フリーとなったクラスII分子は処理された外因性抗原と結合することができる.このクラスII・外因性抗原複合体は抗原提示細胞表面に運ばれ,クラスII拘束性のCD4陽性T細胞レセプター(TCR)で認識される.
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