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文献概要
今月の主題 リンパ系疾患の臨床 リンパ系疾患診療の実際 リンパ腫
成人T細胞白血病(ATL)
著者: 服部俊夫1
所属機関: 1熊本大学医学部・第2内科
ページ範囲:P.1229 - P.1231
文献購入ページに移動 成人T細胞白血病(ATL)は,ヒトにおいてレトロウイルス発癌が初めて証明された疾患である.その原因ウイルスはHuman T cell lympho-tropic virus type 1(HTLV-1)であり,わが国の西南部に流行する1).近年は欧米の薬物中毒患者を中心に流行の兆しがみられ,また南米やイランにも流行地域が存在することが明らかになり,HTLV-1感染に対する対策は全世界的な規模で講じる必要が生じてきた2,3.
またHTLV-1は,HTLV-1 AssociatedMyelopathy(HAM)と呼ばれる神経疾患をも生ずることが明らかにされた.後天性免疫不全症候群(エイズ)が同様に免疫系の指揮官であるT4細胞に感染し疾患を生ぜしめることと奇しくも一致し,ヒトレトロウイルス感染症は免疫と神経系の認識あるいは発生機構を解析する上で新たな手段となりつつある.
またHTLV-1は,HTLV-1 AssociatedMyelopathy(HAM)と呼ばれる神経疾患をも生ずることが明らかにされた.後天性免疫不全症候群(エイズ)が同様に免疫系の指揮官であるT4細胞に感染し疾患を生ぜしめることと奇しくも一致し,ヒトレトロウイルス感染症は免疫と神経系の認識あるいは発生機構を解析する上で新たな手段となりつつある.
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