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文献概要
今月の主題 心不全へのアプローチ 心不全の理解のために
心不全とは
著者: 飯塚昌彦1
所属機関: 1獨協医科大学・第1内科
ページ範囲:P.1320 - P.1321
文献購入ページに移動●心不全の定義1)
心不全の定義は難しく,万人を納得させるものはない.その主たる理由は次の二つである.一つは立場による相違であり,一つは経験の蓄積,知見・理解の進歩,治療目標の変化などに基づく定義あるいは診断基準に対する要求の変化である.
生理学者を中心とする基礎医学者には,心臓のみを対象とする考えと全身の循環系を対象とする考えがある.前者は心機能のある程度以上の低下を心不全としている.この場合,たんなる心機能低下と心不全の区別の根拠が問題となる.後者の全身の循環を対象とする考えは臨床家のそれにより近い.この場合は臓器循環の障害をきたす程度の血行動態変化を心不全としている.
心不全の定義は難しく,万人を納得させるものはない.その主たる理由は次の二つである.一つは立場による相違であり,一つは経験の蓄積,知見・理解の進歩,治療目標の変化などに基づく定義あるいは診断基準に対する要求の変化である.
生理学者を中心とする基礎医学者には,心臓のみを対象とする考えと全身の循環系を対象とする考えがある.前者は心機能のある程度以上の低下を心不全としている.この場合,たんなる心機能低下と心不全の区別の根拠が問題となる.後者の全身の循環を対象とする考えは臨床家のそれにより近い.この場合は臓器循環の障害をきたす程度の血行動態変化を心不全としている.
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