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今月の主題 心不全へのアプローチ 慢性心不全の治療指針
慢性心不全の治療方針
著者: 半田俊之介1 吉川勉2
所属機関: 1慶應義塾大学医学部・内科 2慶應義塾大学医学部・中央検査部
ページ範囲:P.1360 - P.1363
文献購入ページに移動1)慢性心不全は心ポンプ機能の障害を中心としたうっ血および低心拍出量による症候群である.治療方針は心不全の原因となった基礎疾患,すなわち病因,病態解剖および生理,重症度により異なる.
2)基礎疾患の診断により,心ポンプ機能の4因子,すなわち心拍数,前負荷,後負荷および心収縮性が病態にどのように関わっているかを明らかにする.主因および誘因を取り除くべく治療選択を行う.心負荷や心拍数の管理治療は内科的ばかりでなく外科的にも可能である.
3)心筋障害による心収縮性の低下,いわゆる心筋不全の場合には問題が残る.伝統的に強心薬が用いられ,利尿薬も基本とされている.血管拡張薬の有効性が知られ,一部の症例ではβ遮断薬が症状,心機能および長期予後を改善するとされる.
4)選択した治療手段が患者のmorbidityとmortalityにどのような改善効果をもたらし,逆にどのようなdemeritを生じるのかを配慮する必要がある.とくに注意すべきは致死的不整脈である.
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