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文献概要
今月の主題 心不全へのアプローチ 薬物治療—適応,使い方,副作用
α遮断薬,β遮断薬
著者: 横田慶之1
所属機関: 1神戸大学医学部・第1内科
ページ範囲:P.1390 - P.1392
文献購入ページに移動 心不全では心ポンプ機能を保持するために種々の神経体液性機構が作動している.とくに交感神経系の役割は重要であり,交感神経終末より分泌されたカテコラミンは心筋に対しては陽性変時・変力作用を,末梢血管に対しては収縮作用を示し,同時に間接的にレニン・アンギオテンシン系などの体液性因子を賦活させ,末梢血管収縮,体液貯留をもたらす.これらの作用は心不全における心拍出量や重要臓器灌流圧の保持に重要な役割を果たしている.
しかしながら長期にわたる交感神経系活性の亢進は心筋のカテコラミン感受性を低下させるため,もはや心筋収縮性増強作用に結びつかず,逆に血管収縮による前,後負荷の増大や頻拍化によりポンプ機能の低下や肺うっ血,心筋酸素消費量増大が進展し,心不全はさらに悪化する(図).
この心不全の悪循環を是正する治療法として,近年,α遮断薬を含む種々の血管拡張薬やβ遮断薬による治療が試みられるようになった.
しかしながら長期にわたる交感神経系活性の亢進は心筋のカテコラミン感受性を低下させるため,もはや心筋収縮性増強作用に結びつかず,逆に血管収縮による前,後負荷の増大や頻拍化によりポンプ機能の低下や肺うっ血,心筋酸素消費量増大が進展し,心不全はさらに悪化する(図).
この心不全の悪循環を是正する治療法として,近年,α遮断薬を含む種々の血管拡張薬やβ遮断薬による治療が試みられるようになった.
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