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文献詳細

雑誌文献

medicina28巻8号

1991年08月発行

文献概要

今月の主題 心不全へのアプローチ 薬物治療—適応,使い方,副作用

代謝改善薬

著者: 山沖和秀1 矢崎義雄2

所属機関: 1東京大学・保健センター 2東京大学医学部・第3内科

ページ範囲:P.1394 - P.1399

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 心筋は,種々の負荷に対する適応現象として細胞肥大をきたすが,十分な毛細血管の増生を伴わないため,心筋は相対的に虚血となる.また,肥大心筋が酸素消費量を増加するため,ますます虚血が進展する,こうした,虚血によるエネルギー産生効率の低下・細胞内pHの低下や,細胞膜・筋小胞体の機能障害が加わり,心不全が発症すると考えられている1)
 一般の強心薬は,このような弱った心筋を,いわば,鞭打って収縮を改善しようとするもので,残り少ない心筋エネルギーを枯渇させる危険性があり,実際,予後をむしろ悪化させる可能性も指摘されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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