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文献詳細

雑誌文献

medicina29巻1号

1992年01月発行

今月の主題 循環器薬の使い方 '92

不整脈

抗不整脈薬による不整脈

著者: 山口巖1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系・内科

ページ範囲:P.112 - P.113

文献概要

 抗不整脈薬による不整脈の増悪や新たな不整脈の出現を催不整脈作用(proarrhythmic effects)という.最近報告された,アメリカにおけるCAST(The Cardiac Arrhythmia Suppression Trial)studyが,心筋梗塞後患者に対するVaughan Williams分類のクラスIc薬に属するencainideあるいはflecainideによる心室性期外収縮治療の結果,不整脈死の頻度と全死亡率のいずれもplacebo投与群より高率であったことを示したことから,抗不整脈薬の功罪にさらに関心が高まった感がある.しかし,quinidine,procainamide,disopyramideが開発された時点から,現在の催不整脈作用の報告がすでに散見されていた.Holter心電図やモニター心電図など最近の不整脈検出装置の開発や発展が,抗不整脈薬と催不整脈作用との関連を正確に捉えるのにも役立っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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