文献詳細
今月の主題 心電図の読み方から不整脈診療へ
不整脈診断の実際
危険な不整脈—Life-threatening arrhythmias
著者: 秋山淳一1 青沼和隆1
所属機関: 1横須賀共済病院・循環器内科
ページ範囲:P.1828 - P.1831
文献概要
1)生命に危険な不整脈としては,心筋梗塞急性期のwarning arrhythmias,心室頻拍,心室細動,Long QT症候群,WPW症候群に合併した発作性心房細動などがあげられる.
2)頻発性,多形性,2連発以上,R on T型の心室性期外収縮はwarning arrhyth-miasと呼ばれるが,これらを認めない例でも心室細動が発生することも少なくなく,注意を要する.
3)心室頻拍の鑑別診断は特に重要で,12誘導心電図で,房室解離,心室捕捉,心室融合収縮を認めるかが,鑑別上ポイントとなる.
4)Long QT症候群では,Torsades depointesと呼ばれる特徴的な多形性心室頻拍を伴うことがある.
5)WPW症候群に伴う発作性心房細動では,RR間隔が著しく不整で,narrowQRSから様々な程度のデルタ波を伴うQRSが認められる.
6)以上のように,生命に危険な不整脈は,通常,12誘導心電図などの詳細な波形分析により大部分診断可能である.迅速な治療の開始が不可欠であるため,日頃から十分な心電図学的な知識の習得に努めることが必要である.
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