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文献詳細

雑誌文献

medicina29巻11号

1992年10月発行

増刊号 図解 診療基本手技 第2集

基本的な臨床検査と画像診断法

腹部X線写真

著者: 永田博司1

所属機関: 1東京都済生会中央病院・内科

ページ範囲:P.139 - P.143

文献概要

●撮影方法
 1)ルーチン撮影
 背臥位正面像(半切)と立位正面像(半切)を撮る.背臥位像のほうが情報量が多く,臓器,腫瘤,石灰化像の位置と大きさ,ガス像の分布を推定するのに有用である.立位は液面像(niveau)と横隔膜下のfree air(遊離ガス像)を描出するのに適している.しかし,立位では腸管は一塊となって骨盤内に下垂し,臓器の輪郭を追うことは困難である.腸閉塞の場合,立位では液体が下垂した腸係蹄に流入するため,閉塞部位を同定するのには腹臥位の写真のほうが診断的価値がある.
 2)消化管穿孔の疑い 横隔膜下のfree airを証明するには,腹部正面像のほうがより適している.患者が重症で立位をとれないときは左側臥位で撮る.この体位ではガス像が均質な肝右葉に接して映るので,診断しやすい.小穿孔では5分間ほど,立位あるいは左側臥位を維持した後に撮影すればfalse negativeを減らせる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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