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文献詳細

雑誌文献

medicina29巻11号

1992年10月発行

文献概要

増刊号 図解 診療基本手技 第2集 診療手技 穿刺および生検法

Douglas窩穿刺法

著者: 徳川英雄1

所属機関: 1荻野クリニック

ページ範囲:P.234 - P.236

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 なんらかの原因で,腹腔(腹膜腔)に血液や浸出液が存在すれば,その変化は下方に位置する骨盤腔内にも達している可能性が大きい.なかでも骨盤腔の最深部,すなわち女性における「直腸子宮窩」,男性における「直腸膀胱窩」はDouglas窩といわれ,立位においても臥位においても最低位にあり,腹腔内浸出液が最も貯留しやすい部位である.Douglas窩穿刺法はこの間腔を穿刺し,貯留内容を採取することによって,腹腔内の炎症性病変や子宮外妊娠,卵巣腫瘍,鈍的外傷による臓器損傷などを診断する補助手段とされたり,気腹法などの検査に応用されているものである.
 近年,わが国ではCTスキャンやエコー検査が広く普及し,肉体的苦痛や精神的不快感を伴う旧来の検査はこれらにとって代わられる傾向にあり,また,抗生物質・抗菌剤の発達に伴って膿瘍の発生頻度が著しく減少していることもあり,Douglas窩穿刺法を施行する機会は極めて少なくなりつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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