文献詳細
文献概要
増刊号 図解 診療基本手技 第2集 救急手技 救急蘇生法
心腔内薬物注入法
著者: 井野威1
所属機関: 1日本医科大学・第1内科
ページ範囲:P.345 - P.347
文献購入ページに移動●適応
心腔内薬物注入の適応は心停止状態における心肺蘇生術時に限られる.心肺蘇生を行う際には救急医薬を投与するために静脈ラインの確保が必須である.しかしながら,心肺蘇生の初期には気管内挿管や静脈ライン確保を行う時間的余裕のないことが多い.心停止の状態で静脈ラインの確保を行う余裕がなく,エピネフリンを緊急に投与する必要があると判断された場合に心腔内薬物投与が必要となることがある.本法は心臓マッサージ,気道確保,静脈ライン確保,重炭酸ナトリウム(メイロン)静注によるアシドーシスの補正などの一連の蘇生術の流れの中で行われるべきものであることは言うまでもない.1988年の日本救急医学会編「救急蘇生法の指針」(改訂草案)1)の中に薬物(エピネフリン)の特殊な投与法として記載されているが,静脈路確保ができない状況下で時間的余裕のない場合にのみ使用すべきであるとされている.また,1986年のAHAのガイドライン2)に記載されている救急蘇生時の薬物投与法からその概要を列記すると以下のごとくである.
心腔内薬物注入の適応は心停止状態における心肺蘇生術時に限られる.心肺蘇生を行う際には救急医薬を投与するために静脈ラインの確保が必須である.しかしながら,心肺蘇生の初期には気管内挿管や静脈ライン確保を行う時間的余裕のないことが多い.心停止の状態で静脈ラインの確保を行う余裕がなく,エピネフリンを緊急に投与する必要があると判断された場合に心腔内薬物投与が必要となることがある.本法は心臓マッサージ,気道確保,静脈ライン確保,重炭酸ナトリウム(メイロン)静注によるアシドーシスの補正などの一連の蘇生術の流れの中で行われるべきものであることは言うまでもない.1988年の日本救急医学会編「救急蘇生法の指針」(改訂草案)1)の中に薬物(エピネフリン)の特殊な投与法として記載されているが,静脈路確保ができない状況下で時間的余裕のない場合にのみ使用すべきであるとされている.また,1986年のAHAのガイドライン2)に記載されている救急蘇生時の薬物投与法からその概要を列記すると以下のごとくである.
掲載誌情報