文献詳細
臨床医のための分子生物学・2
文献概要
●遺伝学開基の大聖人,メンデル
現代の研究の流れは,遺伝子に向かってとうとうと集まりつつある.流れが集まりすぎて,洪水でも起こしそうな現状の一端については,前回にも紹介した.
一世紀半の昔には,遺伝理論の流れはまだ地下の伏流水にすぎなかった.この地下水に実験データの錫杖をつき立てて,認識の明るみに導いた「遺伝学の弘法大師」は誰かといえば,もちろんそれはメンデル(Johann Gregor Mendel,1822-84).そしてメンデルといえばエンドウ豆.彼が実験結果をブリュン地方のささやかな学会で,2回にわたって発表したのは1865年で,活字にまとめて論文としたのは翌年(1866)だった(図1).
現代の研究の流れは,遺伝子に向かってとうとうと集まりつつある.流れが集まりすぎて,洪水でも起こしそうな現状の一端については,前回にも紹介した.
一世紀半の昔には,遺伝理論の流れはまだ地下の伏流水にすぎなかった.この地下水に実験データの錫杖をつき立てて,認識の明るみに導いた「遺伝学の弘法大師」は誰かといえば,もちろんそれはメンデル(Johann Gregor Mendel,1822-84).そしてメンデルといえばエンドウ豆.彼が実験結果をブリュン地方のささやかな学会で,2回にわたって発表したのは1865年で,活字にまとめて論文としたのは翌年(1866)だった(図1).
掲載誌情報