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文献詳細

雑誌文献

medicina29巻4号

1992年04月発行

文献概要

今月の主題 Common Diseases リアルタイムの診断・治療手順 消化器疾患

虫垂炎

著者: 門田俊夫1

所属機関: 1防衛医科大学校・第1外科

ページ範囲:P.618 - P.619

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●初診時にまず何をすべきか?
 虫垂炎の診断は,問診,理学的診察,臨床検査の順で始める.まず病歴を詳しく尋ねることが最も大切である.初発症状が心窩部痛,右下腹部痛,腹部全体の疼痛のどれか.虫垂炎の疼痛は,心窩部から始まり右下腹部に限局するが,このような典型的な発症のしかたはむしろ少ない.悪心,嘔吐を伴うか.悪心,嘔吐がある場合は疼痛が先行するはずであり,逆の場合は少ない.下痢や発熱があるか.他の医師の治療を受けたか,鎮痛剤の投与や抗生物質の治療を受けたか.最近風邪をひいていれば,mesenteric lymphadenitisを鑑別する上で重要である.
 婦人科的疾患の鑑別にも注意を要する.最終mensesの期間を尋ねるのはもちろん,必要に応じて中学生以上の女性に対しては,患者に差恥心を抱かせないよう注意しながら,性体験の有無を尋ねることも大切である.第一線で医療に携わっているベテラン医師であれば,虫垂炎と診断した中学生や高校生の患者が実は,子宮内膜炎や子宮外妊娠であったなどというエピソードの1つや2つは経験しているものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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