icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina29巻5号

1992年05月発行

今月の主題 よくわかる水・電解質と酸塩基平衡

水・電解質異常の診断から治療まで

悪性腫瘍にみられる高Ca血症

著者: 池田恭治1 松本俊夫1

所属機関: 1東京大学医学部・第4内科

ページ範囲:P.812 - P.815

文献概要

ポイント
1)高Ca血症は悪性腫瘍患者にしばしばみられる合併症で,その早期診断・治療が重要である.
2)悪性腫瘍に伴う高Ca血症は,発症機序のうえから局所性機序と全身性・体液性機序の2つに分類される.
3)骨髄腫細胞が骨局所で産生するIL-1やTNF-βは,骨吸収を促進し,高Ca血症を起こす.
4)各種の悪性腫瘍細胞が産生・分泌するPTH-related peptide(PTHrP)は,体液性機序で高Ca血症を起こす.
5)悪性腫瘍に併う高Ca血症の大部分を占めるHHM(humoral hypercalcemia ofmalignancy)の診断には,①高Ca血症,②低P血症,③血中PTHrPの上昇を証明することが基本である.
6)悪性腫瘍に伴う高Ca血症の治療の原則は,①原病に対する治療,②輸液による脱水の是正,③利尿剤による尿中Ca排泄促進,④骨吸収抑制剤の投与である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら