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今月の主題 よくわかる水・電解質と酸塩基平衡 酸塩基平衡異常の診断と治療
代謝性アシドーシス
著者: 穴井元暢1 黒川清2
所属機関: 1小平記念東京日立病院・内科 2東京大学医学部・第1内科
ページ範囲:P.852 - P.855
文献購入ページに移動生命活動を保つ代謝のプロセスでは,1日約15,000〜20,000mEqのH+が発生する.このうちの大部分は糖,脂肪などの酸化によって生ずるCO2と,その水に溶けて存在するH2CO3,炭酸である.この炭酸は肺から呼吸によって速やかに排出されるので,これを揮発性酸volatile acidという.
このほかに,蛋白の代謝によって生ずるリン酸,硫酸などの不揮発性酸non-volatile acidsは,肺から排出されず,腎臓を経由して尿中に排泄される.このような腎臓から尿中に排泄されるnon-volatile acidsの量は,普通,1日約50〜100mEq(1mEq/kg体重)である.
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