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文献詳細

雑誌文献

medicina29巻5号

1992年05月発行

文献概要

今月の主題 よくわかる水・電解質と酸塩基平衡 トピックス

副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)

著者: 井上大輔1 池田恭治1

所属機関: 1東京大学医学部・第4内科

ページ範囲:P.872 - P.875

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ポイント
1)PTHrPは悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症のうち,液性因子を介するHHM(Humoral hypercalcemia of malig-nancy)の主な原因物質として1987年同定された,141個のアミノ酸から成る蛋白である.
2)PTHrPのN端の13個のアミノ酸のうち8個はPTHと同一であるが,それ以外の部位ではPTHとのホモロジーは認められない.
3)PTHrP遺伝子はPTH遺伝子と共通の祖先に由来し,同じ遺伝子ファミリーに属すると考えられている.
4)ヒトPTHrP遺伝子はPTH遺伝子とは対照的に複雑な構造をしており,単一のPTHrP遺伝子からalternative RNAsplicingによりC端のみが異なる3種のタンパクが産生される.
5)PTHrPのN端の合成ペプチドはinvitroおよびin vivoにおいて,高Ca血症・低P血症・尿中cAMP排泄の促進などPTHと同様の作用を発揮し,HHMの主要な病態を再現する.
6)PTHrPは,少量ながらほとんどすべての正常組織において産生が認められ,なんらかの生理作用を持つものと考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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