medicina29巻8号

1992年08月発行

今月の主題 胸部X線からの肺疾患の診断と治療 気管支肺炎様病変

気管支肺炎様病変

著者： 水野富一¹

所属機関： ¹聖路加国際病院・放射線科

ページ範囲：P.1362 - P.1365

　発熱，咳，痰，胸痛などの炎症症状がある場合，気管支肺炎の有無を知るために胸部単純写真を撮影する．そのX線所見は一般的には局所的な肺胞性陰影と間質性陰影である．しかし，これらは非特異的であり，X線所見だけでは鑑別が難しい病変もある．一方，肺炎と似た像を呈しても，X線所見を詳細に観察することにより，鑑別可能な病態も存在する．本稿ではこれら気管支肺炎とまぎらわしいX線所見を呈する病変について述べる．