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文献詳細

雑誌文献

medicina29巻8号

1992年08月発行

今月の主題 胸部X線からの肺疾患の診断と治療

空洞性病変

空洞を生じる細菌感染症

著者: 松岡緑郎1

所属機関: 1公立昭和病院・呼吸器科

ページ範囲:P.1383 - P.1385

文献概要

ポイント
1)空洞を生じる細菌性肺炎の病原菌は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus),肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)である.
2)両者とも基礎疾患の有する症例に発生しやすい.特に肺炎桿菌はアルコール多飲者,糖尿病患者に多い.
3)胸部X線写真上は黄色ブドウ球菌肺炎は多発性の陰影,肺炎桿菌肺炎は上葉に好発し,容積の増大を伴うconsolidationを呈する.
4)空洞形成を認め,鑑別すべき疾患は,肺結核症,非定型抗酸菌症,嫌気性肺炎,肺膿瘍,肺真菌症,癌性空洞,Wegener肉芽腫症などである.
5)黄色ブドウ球菌肺炎の治療第一選択剤は第1,第2世代のセフェム剤,肺炎桿菌肺炎は第2,第3世代のセフェム剤である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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