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文献詳細

雑誌文献

medicina29巻8号

1992年08月発行

文献概要

今月の主題 胸部X線からの肺疾患の診断と治療 空洞性病変

肺化膿症・壊死性肺炎

著者: 藤井忠重1 半田健次郎1

所属機関: 1信州大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.1386 - P.1391

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ポイント
1)肺化膿症は口腔・鼻腔内病原菌の吸入・誤嚥との関連が深く,嫌気性菌および複数菌による混合感染が多い.
2)発熱,咳嗽,悪臭の膿性痰,血痰・喀血,白血球増多が主な症候である.
3)X線像は浸潤影中のニボー形成を伴う空洞影が特徴的であるが,浸潤影,結節・腫瘤影のみの場合がある.
4)X線CTでは小空洞,壊死巣,胸水の検出および肺癌,肺分画症,肺嚢胞など基礎疾患の診断に役立つ.
5)鑑別疾患ないし基礎疾患として原発性肺癌,肺結核,肺真菌症,肺分画症,肺嚢胞症などが重要である.
6)起炎菌不明の場合や嫌気性菌と好気性菌の混合感染にはリンコマイシン系とペニシリン系やセフェム系の併用が勧められる.
7)内科的治療の不成功例や続発性,特に肺癌に伴うものでは手術を考慮する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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