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今月の主題 胸部X線からの肺疾患の診断と治療 肺病変を伴わない胸水
アスベストーシス(良性石綿胸水)
著者: 三浦溥太郎1 木村雄二2
所属機関: 1横須賀共済病院・内科 2横須賀共済病院・病理
ページ範囲:P.1465 - P.1467
文献購入ページに移動1)石綿に起因する非悪性の胸水を良性石綿胸水という.
2)胸水は画像で確認されればよいが,鑑別は除外診断による.悪性腫瘍の除外には,発症後2〜3年の観察期間を要する.
3)胸水は滲出液で,少量のことが多く,しばしば肉眼的に血性である.また胸水中の好酸球増多が約20%にみられる.
4)約半数は無症状で,かつ自然に消退する.しかし,再発が約25%にみられる.
5)後に約半数は,びまん性胸膜肥厚に進展する.また円形無気肺や,肺尖胼胝を呈することもある.
6)肺病変(石綿肺)の程度とは無関係に,肺機能が著しく低下することがある.
7)確実な治療法はない.
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