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今月の主題 肝硬変から肝細胞癌へ—臨床医の正しい診療のために 肝細胞癌の発生と早期診断
肝細胞癌の早期診断のためのStrategies
著者: 杉浦信之1 大藤正雄1 吉川正治1 江原正明1
所属機関: 1千葉大学医学部・第1内科
ページ範囲:P.1640 - P.1643
文献購入ページに移動1)肝細胞癌の早期診断には慢性肝障害の経過観察が重要であり,定期検査の検査間隔は原則として3ヵ月である.
2)定期検査としては超音波検査と腫瘍マーカー(AFP,PIVKA II)を3ヵ月ごとに施行し,症例により他の検査法を加えたり,検査間隔を調節する.
3)精密検査には,外来で可能なX線CT,MRIと,入院が必要な血管造影と超音波映像下組織生検がある.
4)画像診断の進歩により肝内の小腫瘤病変の検出は飛躍的に向上したが,確定診断には組織診断の役割が大きい.
5)各種検査で確診所見が得られなくても,腫瘤の大きさが15mmを越える症例や,経過で腫瘤が明らかに増大する症例は肝細胞癌に準じて対処すべきである.
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