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治療のポイント
浮腫患者の輸液
著者: 加藤暎一1 和田孝雄1
所属機関: 1慶大・内科
ページ範囲:P.1724 - P.1726
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浮腫患者に輸液というとなにかparadoxicalな感を受ける。過剰な体液を使えぬかとの素朴な疑問も起こるが,案外特別な考慮もせず日常の臨床で実施されており,腹水のある肝疾患での輸液もその一例であり,また心疾患で低Na血症があるからとNaClを与え浮腫の増強をみるのも,浮腫患者の輸液を誤つたためである。
本来輸液の目的は,①水,②電解質,③熱源の補給にある。浮腫のさいの輸液は,通常と異なり,主として熱源の補給のためである。わずかの水で熱源を与えるには高張液を用いればよいが,血管を損傷するので,多くは10%程度の糖液で与えることになる。そうすると残りの90%は水であり,この水が案外くせもので油断がならない。
浮腫患者に輸液というとなにかparadoxicalな感を受ける。過剰な体液を使えぬかとの素朴な疑問も起こるが,案外特別な考慮もせず日常の臨床で実施されており,腹水のある肝疾患での輸液もその一例であり,また心疾患で低Na血症があるからとNaClを与え浮腫の増強をみるのも,浮腫患者の輸液を誤つたためである。
本来輸液の目的は,①水,②電解質,③熱源の補給にある。浮腫のさいの輸液は,通常と異なり,主として熱源の補給のためである。わずかの水で熱源を与えるには高張液を用いればよいが,血管を損傷するので,多くは10%程度の糖液で与えることになる。そうすると残りの90%は水であり,この水が案外くせもので油断がならない。
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