icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina3巻12号

1966年12月発行

文献概要

治療のポイント

浮腫患者の輸液

著者: 加藤暎一1 和田孝雄1

所属機関: 1慶大・内科

ページ範囲:P.1724 - P.1726

文献購入ページに移動
輸液の目的
 浮腫患者に輸液というとなにかparadoxicalな感を受ける。過剰な体液を使えぬかとの素朴な疑問も起こるが,案外特別な考慮もせず日常の臨床で実施されており,腹水のある肝疾患での輸液もその一例であり,また心疾患で低Na血症があるからとNaClを与え浮腫の増強をみるのも,浮腫患者の輸液を誤つたためである。
 本来輸液の目的は,①水,②電解質,③熱源の補給にある。浮腫のさいの輸液は,通常と異なり,主として熱源の補給のためである。わずかの水で熱源を与えるには高張液を用いればよいが,血管を損傷するので,多くは10%程度の糖液で与えることになる。そうすると残りの90%は水であり,この水が案外くせもので油断がならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?