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基礎医学
リウマチ熱の診断
著者: 永山徳郎1 福田宏志2 加藤裕久2 小田禎一2
所属機関: 1九大・小児科 2九大小児科教室循環器研究室
ページ範囲:P.1736 - P.1740
文献購入ページに移動リウマチ熱という病気は,もともと"関節痛を伴う熱病"といつた程度に理解されていた。ところが聴診器が発明されて心臓障害が共存すること,小舞踏病もリウマチ熱に関係が深いことがわかり,さらにA群溶連菌の感染とリウマチ熱の発症との関係が明らかになるにつれて,リウマチ熱の概念が現代化されてきたのであるが,その反面リウマチ熱の診断が混乱する結果になつた。
Jones(1944)は,リウマチ熱の多種多様な症状を主基準と副基準に分けて症状のそれぞれに診断的価値をもたせて,リウマチ熱の診断を理解しやすくした。しかし主基準に「リウマチ熱の既往」「関節痛」をいれた点に不備があり,1955年にアメリカ心臓協会の小委員会よりJonesの意見をいれた修正(modified)Jones基準が発表された。この基準が広く現在一般に使用されているが,1965年に新しい改訂(revised)Jones基準が発表された。このように,リウマチ熱を診断するための手引きである診断基準が,アメリカで検討が加えられている事実は,アメリカにおいてもリウマチ熱の診断が適確に行なわれていないことを示すものであろう。
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