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文献詳細

雑誌文献

medicina3巻12号

1966年12月発行

文献概要

症例

見逃がされている心筋硬塞

著者: 八島顕1

所属機関: 1片山病院内科

ページ範囲:P.1788 - P.1788

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 心筋硬塞の症状は主訴に強い胸内苦悶があり,疼痛,恐怖感などの発作をきたし,ときにはショック状態となつて,検査上でも赤沈促進,白血球数増加,微熱,SGOT値上昇があり,また心電図でもST,T波の変化を伴つた,深くて幅の広いQ波が出現するから,その診断はさほど困難ではない。解剖学的には,瀬戸八郎教授(東北大)は,心臓には心内膜から心外膜にいたるまで,多数の知覚神経終末が認められ,ことに大動脈弓下部・冠状動脈・心静脈にはいちじるしくこれが発達しているから,心疾患のさいには激しい前胸部疼痛を訴えると説明している。
 しかしながら,心筋硬塞が実際にあつて見おとされている場合もあり,1923年Wearnはこのような潜在性心筋硬塞(sog. stummen Myokardinfarkt)に対して,silent myocardial infarctionと命名した(Wearn, J. T.:Amer. J. med. Scl 165(1923)250.)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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