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EDITORIAL
基礎と臨床の共通の場を
著者: 平井秀松1
所属機関: 1北大生化学
ページ範囲:P.177 - P.180
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基礎医学者から臨床医への注文ということだが,その逆はたくさんあつても,われわれからそうはないように思う。むしろこの機会に基礎の方で大いに反省したいと思つている。大体私は大学を出るとすぐ生化学に入つてしまつたので,臨床のことはもちろんわからないし,医療の場も大学病院ぐらいしかみていない。
土台,大学の生化学しか知らぬ私が臨床医に向つてつべこべいうのがおかしいので,第一線に働いている診療医から見れば,さぞかし現実ばなれのした,上つ調子な存在に見えることだろう。TCA-cycleがどう廻つていようと,酵素分子の構造が決まつたからといつて,毎日来る患者の腹いたを止めることに直接の関係はない。だから私がこれから書こうと思つていること自体臨床医から見れば片腹いたいことのように思うのだが,そう卑下ばかりしていても仕方がないので,主として大学や大病院で勉強中の医師を相手に思つたままを書いてみよう。
基礎医学者から臨床医への注文ということだが,その逆はたくさんあつても,われわれからそうはないように思う。むしろこの機会に基礎の方で大いに反省したいと思つている。大体私は大学を出るとすぐ生化学に入つてしまつたので,臨床のことはもちろんわからないし,医療の場も大学病院ぐらいしかみていない。
土台,大学の生化学しか知らぬ私が臨床医に向つてつべこべいうのがおかしいので,第一線に働いている診療医から見れば,さぞかし現実ばなれのした,上つ調子な存在に見えることだろう。TCA-cycleがどう廻つていようと,酵素分子の構造が決まつたからといつて,毎日来る患者の腹いたを止めることに直接の関係はない。だから私がこれから書こうと思つていること自体臨床医から見れば片腹いたいことのように思うのだが,そう卑下ばかりしていても仕方がないので,主として大学や大病院で勉強中の医師を相手に思つたままを書いてみよう。
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